ハリバの広告

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エーザイ(株)(旧日本衛材株式会社)の創業者である内藤豊次が、田辺元三郎商店在職中の昭和8年に開発したビタミンA、Dを含む肝油剤である。
肝油は1日1杯(4g)を飲まなければならなかったが、「ハリバ」は1日1粒がセールスポイント(一粒肝油)であり、広報も功を奏して大成功を収めた商品である。 背景には、中国との長びく戦争に対応するため、国民の健康増進・体力向上が急務とされていたが、食糧をはじめとするあらゆる物資が窮乏しており、手軽な栄養補給剤に対する需要の高まりという状況があった。

今と違って、働け働けで、病気で休むなど許されない時代。体が資本といっても十分な食事・栄養を摂れない状況から、こういった栄養剤が人気を博していた。事業者もこういった社会情勢に合わせて効果的に広告を打ってきた。

内容
「ハリバ服む人無欠勤
健康が…資本だ… A「新体制の非常時下には、病気などしてはいられない…」 B「そうだよ!殊に我々のように激務に携わる者は、何と言っても健康が資本だからな」〜  能率を挙げよ… 年中かぜ引かず病気知らずの無欠勤で、事務や仕事の能力増加を図るため、どこの会社でも工場でもハリバがたいへん賞用されます。〜
百粒…二円五十銭 五百粒…十円五十銭 東京・大阪 田邊商店」
掲載:昭和15年9月 
「欠勤を少なくして能率の増進を計るべき時代」や「産業報国」の文言に非常時の世相があらわれている。

内容
「過度の労力や激しい作業に…備えて かぜ引き 視力の減退 結核感染などを予防し、会社工場の欠勤を少なくして、能率の増進を計るべき時代です。〜
仕事を休まず 産業報国の実を挙るにはハリバの連用が一ばんです。僅か小豆大の糖衣錠の中にADを科学的の正確さで含有しております。一日二−三粒で足り楽々連用し得る近代的な護身剤として好評です。 ハリバ飲む人無欠勤 健康向上にハリバ」
掲載:昭和15年11月 
この頃流行った新体制を早速取り入れたコピーであり、健康の新体制作りにはハリバの連用が一番と宣伝している。

内容
『家庭の…新体制…  「戦時下の家庭生活にもいよいよ新体制の必要が目睫に迫って来たね。」 「一人残らず身も心も引締めてシッカリと働かねばなりませんわ」 「それには先ず第一に健康家庭の建設が根本問題だよ」 「ホントーに昨年のように家中かぜや病気で寝込んでは困りますもの」 「私もこの冬にかぜ一つ引かぬようにビタミンADを充実するわ」 「僕は毎日ハリバをのんで、学校を休まないようにするよ」 「一家揃って今日から ADの充実ハリバの連用で 皮膚や粘膜を強化し、抵抗力を培い健康の新体制は完成だ」 健康向上にハリバ』
掲載:昭和15年11月 
欠勤はもとより、能率を落とすことは国家の要請に反するという、勤労報国の時代を反映した広告。

内容
「病気に罹るな…欠勤するな! かぜ引かぬよう…抵抗力を培うために脂肪性の栄養を摂れ 〜
国家の要請  寒さに負けず、病気知らずの健康体で、業務に励まねばならぬ非常時です。栄養的な欠陥からかぜを引き、いろんな病気を誘発したり、視力が衰え、凍傷に罹り仕事の能率を減退せぬよう AD剤ハリバを連用される向が激増しております」
掲載:昭和16年1月 
ハリバの必要性を、欠勤理由のデータから説明するという論理的アプローチの広告。

内容
「欠勤の多い人に・・・もっとビタミンADを与えよ!
産業戦士の欠勤原因を調べてみると……日光や脂肪性栄養の不足から、知らず識らずの中に、体内にADが不足して病気に対する抵抗力が低下し、かぜ引きや呼吸器の支障を来している場合が多いと言われます。
 産業戦士の欠勤日数(百分率)流行病・伝染病13.9 消火器疾患13.6 神経性疾患9.9 全身病9.6 泌尿器疾患3.4 骨疾患2.2 外因負傷1.6 〜 脂肪性の栄養を〜 手軽な…AD補給には… 〜」
掲載:昭和16年4月 
脂溶性ビタミンとはビタミンA,D,E,Kである。イラストは、これらを多く含む食品であるウナギやバター、めざし、牛乳を書いているのだが、これらを食べなくてもハリバで充分ということ。

内容
「戦時下の活力源 脂肪性栄養の補給に ハリバ
臨戦下の食糧国策には、脂肪性栄養の重要性が強調されています。 今こそ四季を通じて脂溶性ビタミンが一ばん必要な向寒季です 毎朝、欠かさず一粒か二粒のハリバを連用してこの脂溶性ビタミンを充実し…寒冒その他の病気に対する防衛力を強化すべきときです。〜」
掲載:昭和16年11月 
内容
「一家こぞって…健康だ栄養だ
老いも幼きも先づ寒冒引き知らずに笑顔で健康で、臨戦下の本分をつくしましょう
それには、先づ栄養です。ハリバです。毎朝の日課に欠かさず一‐二粒を連用すれば、皮膚も粘膜もともに防壁は堅固になり…頑丈な防衛力を培い得ます。」
掲載:昭和16年11月 
寒冒季とは聞きなれない言葉であるが、今でいう風邪の季節のことである。 戦時下であり「健康動員」という言葉が使われているが、今も昔も健康第一は間違いない。

内容
「寒冒季  一家を挙げて 健康動員
戦時下、国民の責務を果すには、健康確保が先決です…今こそ、子も親も……毎朝欠かさず、一ー二粒のハリバを忘れぬことです。
脂溶性ビタミンが充実して皮膚や粘膜の防壁が強靭になり、寒冒その他冬の病気に対する防衛力が培われます。
ご家庭向には五百粒入がお徳用
東京市日本橋区本町 田邊商店 
五百粒…十円五十銭 百粒…二円五十銭 ハリバ」
掲載:昭和16年12月 
「無欠勤」は、ハリバ広告の合言葉である。また、「欣労」という言葉が使われているが喜んで働くという意味であろう。イラストから丸薬であることがわかる。

内容
「国民皆労 無欠勤
冬の健康防衛に 高度国防国家の建設に向って、こぞって欣労せねばならぬ今、寒冒引きや病気負けで欠勤することのないよう… 耐寒力を培うべきです
皮膚や粘膜の防御を強化するには、脂溶性ビタミンの補給が必要で毎朝一―二粒、ハリバの使用が効果的です。
ご家庭向に五百粒入を〜 」
掲載:昭和16年12月 
同じような内容であるが、一点、亡国病「結核」は風邪が引き金になることが多い、よって、ハリバで風邪をひかないように。という趣旨が追加されている。まだまだ、結核が普通にあった時代である。

掲載:昭和16年12月 
風邪などで欠勤は許されない時代、しかし、物資不足と倹約の時世、暖房に事欠く中で手軽な栄養剤が持てはやされたのであろう。

内容
「産業戦士の高度栄養補給に  脂溶性ビタミン ハリバ
日夜、生産力の拡充に没頭される産業戦士は常に健康と体力に細心の注意を払うと共に、高度栄養の充実 特に不足がちな脂溶性ビタミンの補給を怠らぬことが肝腎です
毎日の健康に、一、二粒のハリバをご利用下さい 脂溶性ビタミンの充実により、皮膚や呼吸器粘膜を強化し、厳寒季にも、かぜ引き知らずに無欠勤で職務を完遂し得る体力を創りましょう。
ご家庭用には五百粒入がお徳用 五百粒 十円五十銭 
東京市日本橋区本町 田邊商店」
掲載:昭和17年1月 
国民総動員の時代、風邪を引くことさえ許されないのである。

内容
「国民皆労のとき 一人の欠勤、一人の能率低下も許されぬこの際です。かぜ引かぬよう…病気せぬよう…皮膚や呼吸器粘膜の防壁に、強い抗病力を培ってをくことが肝腎です〜」
掲載:昭和17年1月 
心持ち「ハリバ」の文字が小さくなり、その分商品を大きくしているようだ。「決戦下」という言葉が使われるようになった。

内容
「家庭の健康陣
家事に、勤めに 勉学に、より能率を向上して決戦下国民の責務を果せるよう…… 先づ健康を確保して無病家庭の建設に邁進せねばならぬとき…… ハリバで護れ 子も親も、毎日の健康に一‐二粒のハリバを連用され…皮膚や呼吸器粘膜の防壁を強めてかぜ引かぬ、病気知らずの強力健康陣を建設しましょう
ご家庭の皆様で召上るには五百粒入がお徳用
五百粒…十円五十銭 百粒…二円五十銭  東京市日本橋本町 田邊商店 」
掲載:昭和17年2月 
ここでも「決戦下」が使われ、「高度労働」という新語まで現れた。

内容
「働け休むな増産へ
生産拡充…人的資源の確保が力強く要望される決戦下…一人でも病気で倒れ、生産力を低下することのないよう…高度勤労に耐え得る体力を培うべきです〜 」
掲載:昭和17年2月 
今回は、小国民と呼ばれた「子供」をターゲットにしてきた。

内容
「子供は……家の宝 国の礎     無病に 健康に・・
次代を託すべき貴重な小国民を強兵、健母に育てるため…発育に、栄養に欠かさずハリバをお与え下さい。
毎日の健康に、一―二粒を連用され、脂溶性ビタミンをタップリと補給して、かぜ引かぬ、病気知らずの健康児育成につとめましょう。
ご家庭用には……五百粒入がお徳用
五百粒…十円五十銭 百粒…二円五十銭  
東京市日本橋本町 田邊商店」
掲載:昭和17年2月 
内容
「腕で…力で…健康で…勤労総動員に邁進せねばならぬこの戦時下です。一人でも病気で倒れたり、能率の低下を来すことのないよう…先ず栄養充実 特に脂溶性ビタミンの大量補給が必要です この成分が体内に充実すると…皮膚や呼吸器粘膜の抵抗力が強化され…病気に対する防衛力が強まります。脂溶性ビタミンの補給には、毎日ハリバを連用することです。健康確保に必要なこの栄養が体内に充実して…無病、無欠勤で働ける体力が培われます。〜」
掲載:昭和17年3月 
食べ物が不足しているなかで、身体を酷使することを要求され、しかも病気に罹ることも許されない社会情勢、これを広告が煽っている。

内容
「無病家庭をハリバで創れ
病気などしておられない戦時下…栄養低下から抗病力が衰えぬよう…食物を質的に吟味することで、殊に脂溶性ビタミンの確保が必要です。
それには、一家そろって欠かさずハリバを連用され、体力を充実して決戦下の健康家庭を建設することです。
ご家庭の皆様で召上るには五百粒入(十円五十銭)…がお徳用です〜」
掲載:昭和17年3月 
要約すれば、激務に耐える健康を保つためには、毎日のハリバ服用が必要です。なぜって、この戦時下、勝利を得るにはすべての国民が勤労に徹しなければならないのだ。

内容
「健康で 一億皆労 無欠勤
激務に耐え得るよう…呼吸器が侵されぬよう…先づ栄養特に脂溶性ビタミンの充実が必要です。
毎日欠かさずハリバを連用すれば戦時下の食物に不足がちなこの成分が充分に補給され、皮膚や呼吸器は丈夫に、増産に活動に…逞しい健康が確保されます。
脂溶性ビタミン ハリバ 
ご家庭用には五百粒(十円五十銭)がお徳用です。 」
掲載:昭和17年4月 
このご時世、感情に流されがちな日本国民に対し、どちらかというと情緒に訴える広告が多い中、今回は、性状を科学的に説明したものになっており、とても新鮮である。

内容
「戦時下…健康確保の栄養源
戦時下に於ける栄養の補給…就中、脂溶性ビタミンの摂取は、国民体位の確保に欠かせぬもの……。
ハリバは、この脂溶性ビタミンを、油塊のまゝ糖衣の小粒としたもので…毎粒の単位は科学的に正確且つ均等に測定され…食物に不足がちなこの成分を補うに好適の保健剤です。
ご家庭用には……五百粒入(十円五十銭)……がお徳用です。
脂溶性ビタミン ハリバ」
掲載:昭和17年4月 


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