花蓮港廰巡査勲七等出井奥次郎墓(本郷地区民地)

軍事遺物

出井奥次郎さんは、海軍兵としての現役満期後、大正3年1月台湾花蓮港庁の巡査を拝命。同年10月21日蕃人と呼ばれた先住民と交戦中に戦死された。この墓碑は父親によって大正4年10月21日に建立された。
碑高222p、幅79p、厚さ16p、台石40p、基壇60p
所在:本郷地区民地(海老名市)
(刻字)
碑正面:「花蓮港廰巡査勲七等出井奥次郎墓  山田嘉□書」
裏面:
「故海軍三等兵曹勲七等出井奥次郎君ハ明治十五年五月四日ノ暁天青葉茂レル本郷ノ里ニ呱々ノ聲ヲ挙グ金右衛門氏三男ニシテ五徳ノ備ハリタル快男児ナリキ君ハ明治三十五年十二月一日躍如横須賀海兵團ニ入團シテ五等水兵トナル
翌年ノ初夏四等水兵ニ昇進シ軍艦朝日ニ乗リ組ミ次デ三等水兵ニ累進ス明治三十七年二月六日佐世保ヲ發シテ日露ノ役ニ従軍シ其戰功不尠殊ニ光輝アル日本海仝戰ニ参加シテ顕著ナル偉功ヲ奏シ戰役中ニ等水兵ニ進級ス明治三十九年一月一日善行章一線ヲ付與セラル仝年四月一日明治三十七八年戰役ノ功ニ依リ勲八等白色桐葉章及金百五十圓ヲ下賜セラレ仝日從軍徽章ヲ授與セラル同月十五日一等水兵ニ累進シ翌月三十日三等兵曹ニ名譽進級シ現役滿期トナル君ハ又明治四十三年ノ仲夏宜蘭廰巡査ヲ拝命セシ以來蕃人防備ノ重任ニ衝リ或ハ蕃社討伐及捜索ニ参加シ各處ニ轉戰シ其功著大ナリキ大正三年一月二十日花蓮港廰巡査ニ轉ジ同年五月九日抜擢セラレテ班長ヲ命ゼラル克ク上司ヲ祐翼シ同僚ニ親愛ニ只管欽仰セラレタリ大正三年五月三十一日花蓮港廰下太魯閣蕃討伐及捜索隊ヨリ引續キ臺東廰下捜索隊ニ編入セラレ蕃社討伐及銃器押収等ニ從事中十月二十一日巴□衙支廰下姑仔崙合流点ニ於テ敵蕃ト衝突シ交戰中左大腿部ニ盲管銃創ヲ負ヒ名譽ノ戰死ヲ遂グ其偉功ニ依リ仝日附ヲ以テ勲七等青色桐葉章ヲ授與セラル噫君ノ如キハ天晴日本男児ノ本領ヲ發揮シ忠實其職ニ斃レ郷土ノ名ヲ輝カシタルモノ洵ニ後人ノ亀鑑トナスニ足ル   大正四乙卯年晩秋 濱田杢之丞撰并書
大正四年十月二十一日  出井金右衛門建之 河原口 石工 望月久吉」