あゝ 予科練(和歌山県護国神社)

軍事遺物

和歌山県出身の予科練習生らが建立した予科練の慰霊碑。昭和44年11月3日、予科練和歌山県人会により和歌山県護国神社の参道脇に建立された。碑は立派な基壇の上に建てられた黒御影石製で、左右に比翼壁が設けられたモダンな形状である。基壇の前面に碑文がはめ込まれている。
所在:和歌山県護国神社(和歌山市)
(刻字)
碑正面:「あゝ 予科練   和歌山県知事 大橋正雄書」

(碑文)
「予科練とは海軍飛行予科練習生即ち少年飛行兵の称なり 航空機搭乗員として英才の早期養成をめざし昭和五年この制度發足以来大東亜戰争終結迄學業半ばの少年が七ッ釦は桜に錨と志し 卓越せる技倆 旺盛なる攻撃精神 崇高なる犠牲的精神 を基に日夜猛訓練に耐え大空に巣立てり 支那事変には海鷲として渡洋爆撃の初陣以来開戦劈頭ハワイマレー沖航空戦にその威名を世界に轟かせ我が航空戦力の中核となるも戦局利あらず敵本土に迫るや悠久の大義に滅せんと自らを爆弾に変え身をも命も惜しまず特攻機と共に未曾有の國難に殉じたり 祖国永遠の平和と安泰を祈り散るべくして散り得ざりし我等予科練出身者は英魂の萬古に安らかならん事を祈念しつつこの碑を建立し大空に眠れる御霊に捧ぐ 昭和四十四年十一月三日 予科練和歌山県人会」