彈丸除地蔵尊(観音寺)

軍事遺物
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出征にあたっては、戦場で弾に当たらないようにと、千人針や女性の陰毛などのお守りを身に付けたり、また弾除け神社と言われる神社にお参りしたりと、皆、無事な凱旋を祈願して戦地に赴いていった。
そんな庶民信仰の一つが弾除け地蔵であり、ここ正観寺にも、一体の弾丸除地蔵尊が安置されている。 昭和12年に寄進されたもので、像高約50pと小ぶりな石像であるが、手には弾丸とおぼしき球をお持ちであり、戦場での弾丸を全てこのお地蔵様が取り除いてくれるとの願いが込められているのであろう。
寄進された昭和12年とは、盧溝橋事件(昭和12年7月7日)が発生した年であり、この事件をきっかけにして、泥沼の日中戦争が始まり、日本を敗戦へと導いた大東亜戦争へとつながっていくのである。
像高50p(内蓮華座16p)、台石25p、基壇80p。
所在:観音寺(横須賀市)

(刻字)
台石正面:「彈丸除地蔵尊」
台石左面:「瀬ケア住人 作者 相川嘉平 寄進者 祐太郎 昭和十二年秋 十一世心誉代」