パール博士顕彰碑(京都霊山護国神社)

軍事遺物(その他の地域)
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東京裁判において唯一被告全員無罪の意見書を出したインド代表パール判事を顕彰するため平成9年11月20日、インド独立50周年を記念して建立された。場所は、博士がこよなく愛した京都の霊山である。 碑は幅約8mの扇型の壁面の中央の位置に博士の肖像写真を嵌め込んだ石碑が建つ。
所在:京都霊山護国神社(東山区)


(刻字) 壁面右手:
「時が熱狂と偏見をやわらげたあかつきには、また理性が虚偽からその仮面を剥ぎとったあかつきは、その時こそ、正義の女神は、その秤の平衡を保ちながら、過去の賞罰の多くにその所を変えることを要求するであろう。」
壁面左手:(英文と博士のサイン)
壁面下部:
当時カルカッタ大学の総長であったラダ・ビノード・パール博士は、一九四六年、東京に於いて開廷された「極東国際軍事裁判」にインド代表判事として着任致しました。既に世界的な国際法学者であったパール博士は、法の真理と、研鑽探求した歴史的事実に基づき、この裁判が法に違反するものであり、戦勝国の敗戦国に対する復讐劇に過ぎないと主張し、連合国側の判事でありながら、ただ一人、被告全員の無罪を判決されたのであります。 今やこの判決は世界の国際法学会の輿論となり、独立したインドの対日外交の基本となっております。パール博士は、その後国連の国際法委員長を務めるなど活躍されましたが、日本にも度々来訪されて日本国民を激励されました。 インド独立五十周年を慶祝し、日印両国の友好発展を祈念する年にあたり、私共日本国民は有志相携え、茲に、パール博士の法の正義を守った勇気と、アジアを愛し、正しい世界の平和を希われた遺徳を顕彰し、生前愛された京都の聖地にこの碑を建立し、その芳徳を千古に伝えるものであります。
一九七七年十一月二十日 パール博士顕彰碑建立委員会」