三戸海岸北洞窟陣地詳細

・上陸する敵を殲滅するために、海上の舟艇を狙う狙撃口Tと、 上陸した敵を狙撃するため砂浜の方向を向いている狙撃口U〜Wの4つで構成される坑道陣地である。 狙撃口Tは、その規模から大砲が設置されたものと思われる。
・各狙撃口はカマボコ型に厚いコンクリートで固められた部屋になっており、内部の通路で連絡できるようになっている。 また、外から分からないように中腹の茂みの間に開口している抜穴または観測所と思われる開口部が2箇所設けられている。 通路の壁には、小さな窪みがあちこち設けられているが、灯(蝋燭)置場であろう。
・狙撃口Tの奥には弾薬等を貯蔵したと思われるコンクリート壁で固められた部屋がある。 また、陣地の奥深くにもカマボコ型の大きなコンクリートの部屋があるが、入口がコンクリート板で塞がれ貯水槽となっている。戦後の改造ではないかと推測される。なお、水については別に清水を溜める井戸状の場所が作られている。
・規模の割には内部の兵員棲息部が少ないように思われるが、高低差のある立体的構造で、相模湾を北上してくる敵に相対するためか、南陣地に比べ攻撃力の高い陣地である。

岩崖の間に隠れるよう構築された狙撃口T

@狙撃口T内部

A上り階段

B狙撃口U内部

C灯置場。上部にはススが残る。

D清水溜め

E連絡通路。断面は楕円形である。

F中央部コンクリート巻部屋

G位置から観測所か?

H狙撃口W内部。コンクリート打設前

このページのトップへ