花立台新砲台(花立台演習砲台)

<概要>横須賀市鴨居小字花立台
・大正14年に除籍となった花立台保塁砲台跡に建設された砲台で陸軍重砲兵学校花立台演習砲台と称された。昭和10年に四五式十五糎加農砲(改造固定式 射程35Km)が4門設置された。その後1門が九十式加農砲の砲身に交換され、 昭和12年には、九六式十五糎加農砲が1門備砲されたとある。また、昭和13年に新たに四五式十五糎加農砲2門が設置され、合わせて88式観測所も造られたという資料もある。 現在のところ資料不足で確証はないが、旧花立台堡塁砲台の廃止後、重砲兵学校の演習砲台が造られ、さらに同じ大砲の新砲台が建設されたということになる。新砲台は演習砲台とは別に設けられたものか、演習砲台を利用して作られたものか、はたまた、別に設けられたものだとすると演習砲台の遺構はどうなったのか。など謎は深まるばかりである。
・現存する観測所は旧保塁砲台の掩蔽部の上に建てられている。新砲台用なのか演習用砲台のものなのか不明であるが、地下式でないことから演習砲台用と考えている。内部には昭和13年に九六式測遠機が据付けられたが、その後、教育研究用として九八式測遠機が据付けられたという。

<構造・現状>
防衛大学校の東端の荒地が旧花立台保塁砲台跡である。その中央付近にトーチカ状の構造物が残っているが、これが観測所 であり、その東に円形のカノン砲の砲座が1基残っている。資料では4門設置されていたようだが他の砲座は確認できない。

加農砲の砲座。
直径約5.6m

砲座中央部。
アンカーボルトが残る

砲台東端に残るコンクリート
製円形構造物

保塁砲台の遺構かも
しれない

観測所正面外観

測遠機室近撮

側面

背面

地下1階 
測遠機の台座部分

1階 測遠機室内部。
天井には潜望鏡の穴。

1階内部。
通信室や計算室があった。

2階 中隊長室と推測。
外階段があった模様。

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