雑誌講談倶楽部の広告

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講談社によって明治44年創刊され、昭和37年廃刊。その名の通り講談を掲載したことから始まった。主に小説を中心とした雑誌で、大衆文学雑誌として人気があった。 戦後、GHQの民間情報教育局から戦争協力雑誌として「ワースト・マガジン」にされたらしい。

講談社九大雑誌の広告
九大雑誌とは、キング、講談倶楽部、冨士、幼年倶楽部、少年倶楽部、少女倶楽部、雄弁、現代、婦人倶楽部であり、国策に沿う雑誌づくりに努力しているという。
内容
「雑誌は講談社!九大雑誌新年号大評判!!
皇紀二千六百年記念!熱誠の大奮発!!〜 感謝! 全日本雑誌発行部数の約八割を占むる講談社九大雑誌は、戦線銃後の精神弾薬として益々目覚しい躍進ぶり!全国皆様のこの絶大な御信用に応え、輝く興亜大国策の線に沿って〜皇軍慰問に!御一家の慰安修養、愛児の家庭教育に!天下折紙つきの九大雑誌!!ぜひ今後も一層の御愛読御後援を!!〜
東京大日本雄弁会講談社」
掲載:昭和14年12月 

講談倶楽部の広告
世相を反映し、日米戦をテーマにした小説が掲載されている。1年後には現実となる。
内容
「講談倶楽部 十二月号 定価七十銭〜日米戦うの日あらば!見よ我が荒鷲の意気 海鷲海へ戻る 太平洋上波高し!覚悟はよいか! 」
掲載:昭和15年11月 

講談社の雑誌・絵本の広告
戦争遂行に大きな役割を果たしたのがマスコミ。国民感情を煽る活字が並ぶ、まさに国策出版社である。特に国策回覧板には、これからは全てをお国のために捧げるんだという考え方が大きく示されている。
内容
「講談社の九雑誌と絵本 輝く新年号!
雑誌報国の念願を以て真剣熱烈の編集!戦線の慰問に銃後の修養慰安に−雑誌はこの中から御選定下さい。
心の武装に万人必読の国民雑誌!キング 日本精神の粋を集めた大衆雑誌!講談倶楽部 新しき理想新しき力新しき慰安となる雑誌!冨士 絵本と読物を兼ねた指導的な幼年雑誌!幼年倶楽部 少年の徳性を高め知能を伸ばす少年雑誌!少年倶楽部 少女の教養向上に熱誠をこめた少女雑誌!少女倶楽部 弁論座談の錬磨と時局認識学生青年必読雑誌!雄弁 銃後思想戦の精神弾薬!大衆総合雑誌!現代 明朗健全!銃後生活の設計に役立つ婦人雑誌!婦人倶楽部 童心豊かな絵画と名文で作られた教育絵本!講談社の絵本
  ・御注意・用紙節約の今日、増刷は絶対に不可能御希望の方は早く御近所の書店へ
紙上国策回覧板 今までの考え方やり方とこれからの考え方やり方 子供の教育〜贅沢〜 職業〜 新年〜
大日本雄弁会講談社」
掲載:昭和15年12月 

講談倶楽部の広告
上記の広告で、講談倶楽部は「日本精神の粋を集めた大衆雑誌」とあるがまさにその通りの記事が並ぶ。
内容
「日本精神の粋、悉く傑作!!忠孝、信義、武勇、礼節、倹素、犠牲等々、日本固有の精神美を盛った小説、講談、悉く感動、悉く感激、而も正しき娯楽として面白さ天下随一!新年号ゼヒ御覧下さい〜  軍艦生活と新体制 時局早わかり問答〜
七十銭 大日本弁論会講談社」
掲載:昭和15年12月 

講談倶楽部新年号の広告
こちらも、国策標語を 加え、ABCD包囲網という怪物に対し、官民で立ち向う勇ましいイラストも添えられている
内容
「決戦下に贈る感奮の父!慰安の母  屠れ!米英我らの敵だ 進め一億火の玉だ!〜  」
掲載:昭和16年12月 

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