衣笠弾薬庫の敷地の境界標石である。
本弾薬庫は、東京湾要塞の弾薬本庫として昭和9年に建設された。洞窟式で2本一組の弾薬庫が12本造られていた。戦後米軍に接収されて弾薬庫として使用された後、日本に返還され、現在は横須賀市の市営公園墓地に転換されている。洞窟式弾薬庫は2組4本のみが現存している。
標石は、敷地周りの丘陵の稜線上に設置されている。1辺18p幅のコンクリート製角柱で、表面に「陸」、裏面に「防」及び「通し番号」が刻まれている。本体には砂利が多く含まれているため、表裏の刻字面にはモルタルが塗られている。文字は型押しで付けられているようで、所々型押しの矩形の跡が残っている。また、防64、72、83の刻字には朱が入っており、もともとは赤字であった可能性が高い。
標石は、防五三から八三まで連番で残っているが、前後が何故か見当たらない。
警戒柵のコンクリート柱もかなり残っている。