燈篭(東郷神社)

軍事遺物

東郷神社の表参道から少し入ったところに聳える燈篭である。
第一駆逐隊に所属した戦没者及び戦後の物故者を慰霊するために奉納された。
傍らには赤御影石製の石碑が建ち、碑面周囲に奉納趣旨、戦死・物故者560柱及び奉納者氏名が刻まれている。
所在:東郷神社(渋谷区)

(刻字)
左燈篭
台石正面:「第一驅逐隊」、裏面:「昭和六十二年六月吉日 奉納 第一駆逐隊」
右燈篭
台石正面:「驅逐艦 神風  野風 波風 沼風」、裏面:「昭和六十二年六月吉日 奉納 神風会」

石碑
(刻字)
碑正面:
「第一駆逐隊
第一駆逐隊は日露戦争直前の明治三十六年(一九〇三年)我国最初の駆逐隊として編成され 日露戦争に参加ののち 大正九年迄艦隊第一線で活躍後 一旦 解隊された  大正十一年(一九二二年)改めて第一駆逐隊が野風 沼風で編成され 続いて波風 神風が加わり 昭和初期まで 聨合艦隊の新鋭駆逐隊として活躍した その後は主に大湊(むつ市)を基地としてオホーツク海及び千島列島 カムチャッカ半島沿岸の漁業保護に尽力その発展に大きな力となった  大東亜戦争では北はアッツ キスカ方面から南は印度洋ジャワ方面まで幾多の戦闘に参加 野風 沼風は勇戦空しく沈没したものの神風 波風は一部損傷を受けたが最期迄戦い抜き 神風はシンガポールにおいて 波風は瀬戸内海で終戦を迎えた この間渡辺保正司令 山下喜義沼風艦長外五百四十名の方々が国に殉じられた この燈篭は青春を国に捧げ 若くして戦に殉じた勇敢な戦友と 最後まで海上で戦い抜き 戦後の復興に尽力 物故した乗員の霊を慰め 我が国永遠の平和を念願して 駆逐艦神風会が 駆逐艦波風会有志及び司令各艦乗員御遺族ならびに この主旨に賛同の方々の協力をえて建立 奉納したものである
昭和六十二年六月二十日  駆逐艦神風会」
碑裏面:「戦死 物故者 渡辺保正(外79柱) 外四百八十柱」
碑左面:「奉納者 神風会(57名)」
碑右面:「奉納者 神風会(42名) 波風会(2名外有志 讃岐丸(5名) 有志(3名)」

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