手水鉢(山王教会)

軍事遺物

緑ヶ丘の真言宗山王教会に所在する手水鉢。
刻字は判読困難であるが、横須賀造船所の職工が明治8年に奉納した手水鉢のようである。山王教会は明治13年の創立であるため、時期が合わないが、刻印からは山王信仰のようであり、山王教会ができる前にも、この場所には山王信仰の施設があったのであろうか。
慶応元年に鍬入れ式が行われた横須賀製鉄所は、明治4年に横須賀造船所に改称、そして明治19年横須 賀海軍造船所へと改称している。
横須賀造船所の名称は、明治4年から19年の15年の間に使用された名称であり、それが実際に見える形で残されていることは大変貴重であり、また当時の造船所内の施設名称が記されているのも大変興味深い。
上面の大きさ:幅120cm、奥行58.5cm、高さ(台石除く)72cm。
所在:山王教会(横須賀市)

(刻字)
正面:「奉納」
左面:
「造船所職工
  鑪所 鋳鉄所 製鑵所 煉鉄所 道ろ講所
 世話人
  板倉辰一郎 小山兼吉 山田巳之□
 小林氏 渡邉福□」
右面:「維時明治八□ 第十一月日建營之」
裏面:文字が刻まれているが、「石工又造」のみ判読できる。

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