忠霊(六会小脇)

軍事遺物
戻る

隣接する六会地区の戦没者を合祀した忠魂碑の再建の顛末を未来に残すため、昭和28年9月23日に建立された。
碑高230p、幅99p、厚さ12p、台石26p。
所在:六会小脇(藤沢市)

(刻字)
碑正面:「忠霊」
碑裏面:
「忠魂碑再建趣旨
遠ク異境ニ在ツテ戦イ庭ニ露ト消エタ益良夫ガ臨終ノ際ノ眼ニ映ル幻ノ懐カシノ故郷ノ山河デアリ肉親ノ顔愛スル人ノ面影デアッタデアラウ 云国魂巳遠懐人涙空垂トノ古キ詩モ思ヒ合サン魂遥カ天翔リ故山ノ空ニ帰リ来テ吾家吾古里ノ永久ノ栄ヲ守ルデアラウ 殉国ノ勇士ノ思念ト之レニ対エル村人ノ切願トハ茲ニ融ケ合ッテ忠魂碑建立ト云フ具象化ニ至ッタ事ハ蓋シ当然ト云ハネバナラヌ
忠魂碑コソ英霊ノ当マル所デアリ村民ノ追憶感謝祈念ノ対象物デアル 昭和三年十月元在郷軍人一同此地ヲ卜シテ建ラレタ忠魂碑ハ爾來永ク尊崇ノ的トナッテ居タノデアル 不幸第二次世界大戦ニ敗レテ米国進駐軍総司令部ノ命ニヨリ昭和二十二年十月建テタ人々ノ手ニヨッテ 敢エナクモ土中深ク埋没ナン跡ニハ空シク秋風颯々トシテ地ヲ拂ッテ去ッタノデアル 道族ノ悲嘆村民ノ痛心何ニ譬ヘン方モナカッタ 時去リ星移リ茲ニ 七歳講和發効ノ陽光ハ人々ノ頭上ニ燦トシテ輝イタ愁眉ヲ聞イタ人々相諮リ土中ノ碑ヲ發掘シ再建ノ運ビトナッタノデアル
之ヲ仰グ人々ノ喜ビハ永キ幽因ノ人ノ再ビ天日ヲ拝スル想ヒニ此スベキカ 予村民ノ懇請ニヨッテ再建ノ顛末ヲ記サン 筆ヲ採ル往時ヲ偲ビ現在ヲ思ヒ更ニ将来ヲ観ジテ 感無量情余リテ意之レニ伴ハズ拙文ヲ モノシテ後ノ世ニ残スヲ恥ズルノミ 唯願クハ英霊更ニ永ク郷土ヲ護ラン合掌祈念ス 昭和廿八年九月廿三日
藤沢市長 金子小一郎 撰文
藤沢市六會地区一同 再建
大島真次謹書
新長後 石工 浅見勝三」