紀念碑(龍本寺)

軍事遺物
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明治21年3月26日、軍艦扶桑の乗員が短艇で暴風雨に遭い、沈没し、9人が殉職した。上官が義捐金を集め明治22年3月、龍本寺境内に紀念碑を建立した。台石には、寄附賛同者の艦名、施設名が刻まれており、当時の横須賀の海軍施設がわかる。
碑高214p、幅110p、厚さ30p、台石48p、基礎12p。
所在:龍本寺(横須賀市)


(刻字)
碑正面:
「紀念碑
故海軍三等水兵渡邊増五郎等九人碑 海軍少尉正八位並河良行撰文
明治廿一年三月廿六日軍艦扶桑號乗員三等水兵渡邊増五郎富田喜代次四 等水兵安留勘太郎東嘉三熊野増太郎松□桂之助四等火夫鍵山勝馬剃夫石 川留吉船夫陸軍豫備兵石井八五郎等九人溺于相州三浦郡横須賀之海一等 兵曹井上正水阿川元等數名悼其非命相謀爲募義金賑其遺族明年三月建碑 於同郡米濱龍本寺境内以慰其霊属余文余謂忠勇者士卒之樞機也唯忠故奉 號命而不犯唯勇故臨危險而不畏號令不犯危險不畏士卒能事莫以加焉此日 北風甚烈海水震盪乗員出在陸者概不得還及其歸期己冒風涛奮而歸投者四 十餘人楫析力竭舟終覆没渡邊等九人不幸死之可不勝惜□雖然號令如山水 火不辭士卒之分固宜然其平生之所養可以想見矣余聞九人皆天資忠順而有 勇氣嗚呼果信哉
明治二十二年三月
海軍大佐従五位勲三等山崎景則篆額
海軍大主計従七位岡本雅致 書」

裏面:
「永代祠堂金三捨圓寄附 明治二十二年三月建之
海軍三等筆記安藤兼次郎 書
發起人
山口縣士族 海軍一等兵曹勲□等 阿川元
高知縣士族 海軍一等兵曹 井上正水
鹿児島縣士族 海軍二等兵曹 日高吉次郎
鹿児島縣士族 海軍二等警吏 溝口真明
山形縣士族 海軍三等兵曹 寺島次郎」

台石正面: 「有志者艦營名
扶桑 浪速 高千穂 淺間 比叡 筑紫 海門 天龍 武蔵 葛城 富士山 日進 清輝 天城 盤城 干珠 迅鯨 摩耶 館山 石川 鳳翔  長浦水雷營 海軍機関學校 東京海軍病院 横須賀海軍病院 横濱兵舎 横須賀鎮守府軍法會議 海軍兵学校練習所 横須賀屯營一兵舎 横須賀屯營三兵舎 横須賀屯營五兵舎 横須賀屯營七兵舎 東京白銀火薬庫兵舎 横須賀鎮守府監獄所 横須賀屯營新錢坐分營」