第四艦隊遭難殉職者之碑(馬門山墓地)

軍事遺物
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第四艦隊事件とは、海軍大演習にあたり臨時に編成された第四艦隊が、昭和10年9月26日に三陸沖で大型台風に遭遇し、半数の艦が被害を受け、多数の死傷者を出した海難事件。
この事件の殉難者36柱(当時の新聞記事では47勇士の英霊を合祀とある)を慰霊する碑で、昭和11年11月14日に建碑式が挙行された。
黒御影石製で波を模した独特の形状の碑である。
作者は、日名子実三。宮崎平和台公園の「八紘一宇」の塔や日向市美々津にある「海軍発祥の地」を制作した当時の第一人者である。昭和17年9月10日建立の「海軍発祥の地」の碑のデザインは当碑と非常に似ており、同一作者ということがわかる。 ヴェルニー公園にある「国威顕彰記念塔」も彼の作品のようである。
碑には刻字を削除したと思われる跡が2箇所あり、GHQに認められない言葉が書かれていたのであろう。
第四艦隊事件に関しては、馬門山墓地の他にも、呉海軍墓地に「第四艦隊遭難殉職者之碑」が、佐世保海軍墓地に「第四艦隊殉難之碑」が建立されており、事件の大きさを物語っている。
碑高250cm、幅148cm、厚さ180cm、台石68cm
所在:馬門山墓地(横須賀市)

(刻字)
碑正面:「第四艦隊遭難殉職者之碑  昭和十年九月」