明治卅七八年戦役紀年碑(渋谷氷川神社)

軍事遺物

渋谷氷川神社の氏子にかかわる日露戦争の記念碑。明治39年4月、消防一番組の発起によって境内に建立された。
揮毫は乃木大将。、裏面には日露戦争の戦没者と従軍者の姓名及び地区ごとの寄付者、寄付金額が全面にわたって刻まれている。
地域柄、大日本麦酒株式会社からの寄付がある。この会社は明治39年3月26日、大阪麦酒・日本麦酒・札幌麦酒が合併してできた会社であり、新会社になってすぐの寄附である。渋谷にはサッポロビールの前身である恵比寿ビール(日本麦酒)の工場があったのである。因みに、麦酒の名前が由来の恵比寿駅は明治39年に開業している。
碑の前に歌が刻まれている小碑がある。貴族院議員を務め、歌人でもある入江為守が明治39年7月に建立したもの。歌の内容から記念碑に関連するものと推測している。
所在:渋谷氷川神社(渋谷区)

(刻字)
碑正面:「明治卅七八年戦役紀年碑  希典書」
碑裏面:「氏子戦没者芳名(7柱の歿因、〜、渋谷□側町〜、上地〜、原〜、橋戸〜、豊澤〜、廣尾仲町〜、下廣尾町〜、澁谷廣尾町〜  金参拾円大日本麦酒株式会社  村立公民消防一番組 明治卅九年四月建之」
台石正面:「発起者 渋谷消防  一番組 明治三拾九年四月建之」

小碑正面:
「遠征虎狼 刀折身斃 一片高碑 餘芳萬世  明治丙午七月題 正四位子爵為守」

渋谷氷川神社にかって存在した御神木である常盤松の傍らにあった石。新編武蔵風土記稿や江戸名所図会に記載がある。つまり、紀念碑はご神木があった場所に建てられたということ。

(刻字)
碑正面:「守武萬代石」

このページのトップへ