刻字から分かるように、大正4年度に徴兵で海軍(横須賀鎮守府)に入隊した兵の勇士たちが満期除隊を記念して、つつじ千本の寄贈にあわせて建立したもの。海軍の兵役は3年のため、大正7年頃に建立されたものと推測される。
揮毫の奥宮衛とは海軍砲術学校長、戦艦三笠艦長、横須賀海兵団長などを務めた海軍軍人(最終階級少将)であり、大正6年から大正13年まで横須賀市長を務めた人物。
衣笠山公園は明治40年に開園した古い公園で、山頂には三浦半島出身の日清日露戦役の戦没者を祀った忠魂碑が建てられていた。砲身型で碑面には、上村海軍大将の揮毫による「芳名不朽」の文字が刻まれていた。戦前から桜の名所であり半島随一の観光地でもあった。
碑高:245p、幅:65p、厚さ:10p、台石:30p
所在:衣笠山公園公園(板橋区)
(刻字)
碑正面:
「滿期紀念 躑躅千本寄贈 横鎮大正四年度徴兵有志
勲三等功四級 奥宮衛之書」