東京砲兵工廠銃砲製造所のボイラーと鋼製耐震煙突銘板(北区)

軍事遺物

東京第一陸軍造兵廠十条工場の遺物であり、現在北区立中央公園文化センター(旧東京第一陸軍造兵廠庁舎)の脇で保存展示されている。内容については、説明板を以下転記する。

「明治38年(1905)、現在の十条台1丁目一帯に「東京歩兵工廠銃砲製造所」が開設されました。日露戦争を機に弾薬(銃砲)の増産が必要となったことから小石川地区(現後楽園周辺)より当地に移転・拡張されたものです。敷地内には動力として、英国のバブコック&ウイルコックス社製のWIF型蒸気ボイラーが導入され、ボイラーの煙突には、東京芝浦製作所製の鋼鉄製耐震煙突が使われました。この煙突は、煉瓦造の煙突の周りに鉄板を巻き、耐震性を高めたものです。
 ここに展示されている部品は、ボイラーのドラム・水管の一部・鉄製の扉、および、鋼鉄製耐震煙突の銘板で、十条自衛隊の施設建替の際に解体・保存したものです。銘板には銃砲製造所開設年にあたる「明治三十八年九月竣工」の年代が入っており、これらは、銃砲製造所の歴史を伝えるとともに、日本近代産業遺産としても貴重な資料です。  平成27年3月 東京都北区教育委員会」

展示物

鉄製扉

ボイラーのドラム・水管の一部

鋼鉄製耐震煙突の銘板

旧 状(説明板から転載)

ボイラー外観

ボイラー正面に4枚の鉄製扉が付き、内部には水管が収められている。扉位には「BABCOCK&WILCOX LTD.」「LOMDON&GASGOW」と記された銘板が取り付けられている。扉の上にはドラムの端部が見える。

ボイラー内部

ドラムの下部に水管群が斜めに配置されている。水管を熱して蒸気を発生させ、ドラムから蒸気を取り出す構造。

鋼製耐震煙突

高さ約30mの煉瓦造煙突は、地上から約3mより上部をすべて鉄板で覆っている。

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