江奈湾は三浦半島南部東京湾側に位置する大きな湾である。小網代湾とならび干潟で有名な入り江でもある。
ここに昭和20年6月10日、油壷に本部を置く第11突撃隊所属の第56震洋隊(岩館部隊)が進出した。
相模湾側である小網代湾には第27震洋隊(石井部隊)が置かれていた。
震洋隊の本部は福泉寺に置かれ、他の隊員たちは周辺の民家等に分宿したという。
編成は、震洋1型52隻、5型4隻。搭乗員53名に士官、基地隊員、整備隊員等を含めて総勢183名であった。
震洋をはじめ武器、弾薬、需品等の格納壕は分散して構築されていた。
場所は、A地区、B地区、C地区の三カ所である。
現在は、民家の裏であったり急傾斜地工事で消滅したりして、現存するものは僅かである。
なお、C地区については、記録・文献等には出てこないのだが、立地や構造から推測して同基地管轄として紹介する。
壕を造っただけで実際には配備が無かったのであろう。
なお、2004年に「海軍水上特攻隊震洋」というタイトルで岩館部隊の記録が出版されているので参照されたい。