場所は、高貫からさらに南下した、金田海岸の南端部分である。ここには洞窟砲台が2箇所設けられていた。便宜上、北砲台・南砲台とする。
いずれも未完成であり、備砲前の状態であったようだ。構造はほぼ同様で、砲口の背後の高い位置に出入口を設け、砲廊へは下っていくことになるので、途中数か所の階段を設けている。土面が滑りやすいので、なるだけ斜面を無くすためである。また、坑道の途中に2か所小部屋を設けているが、弾薬庫と棲息掩蔽部であろう。
(南砲台)
首線は北。背後の出入り口から、大きく右に曲がりながら下がっていく。階段は2か所。途中柱穴が2か所に設けられている。小部屋は坑道中ほど、第二階段の途中で左右に2部屋造られている。砲廊は現況7×4mのサイズで、天井を広げる途中のようであり、中央部から開口部に向かって大量の土で埋まっている。つまり、砲廊部分が未完成であるようだ。