ゼオラ薬用歯磨の広告

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研磨剤に炭酸カルシウムを使った近代の歯磨き粉は、既に明治期から多くの会社から発売されていた。 ダイヤモンド歯磨、ライオン歯磨、象印歯磨、ツバメ歯磨などであり、日本人の衛生観念の高さが伺える。 練り歯磨きの最初は、明治21年に発売された資生堂の福原衛生歯磨石鹸と言われている。
「ゼオラ薬用歯磨」とは、大正13年にミツワ石鹸の前身である丸見屋から発売された。 基礎剤にゼオライトを使用したもので、研磨剤ではなく歯を白くする効果がある。ゼオライトは現在でも歯磨粉に使用されており、いわゆるホワイトニング歯磨と言われているものである。 「ゼオラ歯磨」は昭和13年に発売されている。
蛇足ながら、同社は明治44年に日本初の肝油ドロップを発売している。

この言葉使い、国民総動員で戦争を戦おうという意思が感じられる、まさに時世の表現である。

内容
「何でも食べよ!よく噛んで!
栄養の絶対確保だ!歯の積極的強化だ!精鋭ゼオラの出動だ
この際多少でも歯の健康に不安をおもちの方は今日から断然ゼオラをお使い下さい!
専売特許 ゼオラ 薬用歯磨   
東京 日本橋 ミツワ石鹸本舗薬品部」
掲載:昭和16年6月 
一コマ漫画の組み合わせ、しかも商品名はセリフにちょこっと入っているだけという挑戦的な広告。この一コマ漫画、世相を反映しているわけで面白い。 ゼオラというよりミツワ石鹸本舗の広告である。

内容
「朗らかニッポン 筑摩鉄平
↑明るい日本「十二月八日以来、世の中がすっかり 明るくなったヨ ウワッ ハッハ」 子供「父ちゃん、暗くなったんだヨ!!」
←よく落ちる 「アメリカの飛行機はよく落ちるネ」「丁度、このミツワ石鹸のように、垢はよく落ちる」
人気 菓子屋の主人「これでこそ、日本人だ」
←丙種胴ぶるい  医者『早く応召されないと昂奮のため心臓麻痺を起しますゾ』
↑燃え上るワガ心 『まあ、お父さま 債券をお焼になるの?』 『こうしなくちア、とてもコノ胸がおさまらん』
白菜シーズン↓ 花嫁『あなたン 今夜のおかずは白菜よ』 おばアさん『おや、歯臭いならゼオラ歯磨が一番だヨ』
屠れ!米英我等の敵だ 進め一億火の玉だ!」
掲載:昭和17年1月 
シンプルにコピーだけの広告で、噛む力が栄養摂取につながることをアピールしている。面白いのは、注意書きに、噛む際の注意として、虫歯と歯茎は理解できるが、歯石にもとはちょっとわからない。

内容
「一定量の食物から…… 一億の咀嚼力強化! 最大量の栄養を!
咀嚼力については齲歯と歯石と歯ぐきに御注意下さい! 二十六銭
専売特許 ゼオラ 薬用歯磨」
掲載:昭和17年2月 
歯磨の広告であるが、いきなり勇ましい爆撃機のイラストが入ってきた。「健康の先陣を強化」とのコピーと合わせて戦時色満開である。端に小さく「年数回は歯科医で歯科検診を」との注意書きがあるのは今と変わらない。
なお、イラストは、陸軍の97式重爆撃機であり、回転銃塔を装備しているため2型乙と思われる。

内容
「健康の先陣を強化!  歯は健康の先陣!ゼオラは今迄にない基礎剤の偉力で齲触菌や歯石を清蕩し、齲歯、歯槽膿漏を完全に防ぎ歯力を倍加します
こんなお方は、ぜひゼオラを!
□歯を大切にしもっと強く美しくと望む方 □歯に完全な自信を持ちたいとお考えの方 □歯茎がドス黒く歯ブラシを使い出血する方 □虫歯が多く歯力が弱く咀嚼の不十分な方 □在来品の効果や使用感にあきたらない方
一年に一二回歯科医に歯の健康診断を受けましょう
専売特許 ゼオラ 薬用歯磨 定価二十六銭 家庭壜一円七銭(税共)
東京日本橋 ミツワ石鹸本舗薬品部」
掲載:昭和17年2月 
緒戦のマレー作戦の機動力を商品イメージに昇華させた広告。誇大な表現が駆使され、勇ましさが増している。特に「三次元的立体効果」とはどういうことか?

内容
「機動性をもった歯磨
歯磨も昔の儘ではありません。ゼオラは在来品にないゼオライトの科学的偉力で、三次元的立体効果をあげる世界最初の完全歯磨です! ■歯ブラシの届かない口中の隅々まで、虫歯菌を徹底的に殲滅します。■歯槽膿漏の欠点、歯石を安全的確に崩壊して疾患を予防します。■歯ぐきを強化し、咀嚼力を倍加します。
こんなお方は、ぜひゼオラを! 1歯力の強化をお望みの方 2歯ブラシを使うと血の出る方 3歯ぐきの色がドス黒いかた 4むし歯が多く歯痛で悩む方 5咀嚼力が脆弱で不十分な方 6感触の爽快な歯磨を好む方 7在来品の効果に嫌らない方〜」
掲載:昭和17年2月 


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