大房山拂下記念碑(大房岬)

軍事遺物
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要塞構築のために陸軍に買収された大房山について、戦後払い下げを受けるために、幾多の妨害を排して成し遂げたことを記念して昭和30年12月、旧砲台用地内に建立された。
陸軍はこの地に大房岬砲台を建設し、太平洋戦争でも戦備についていたが、戦後米軍によって破壊された。
碑高187p、幅73p、厚さ14p、台石30p、基壇80p
所在:大房岬(南房総市)

(刻字)
碑正面:
「大房山 拂下記念碑
碑文 本山ハ元富浦町多田良区ノ民有地ナリシ處国防上要塞構築ノタメ昭和二年陸軍省ニ買収セラル昭和十二年支那事変勃発シ續イテ大東亞戰爭起リシモ我ガ国ノ武運利アラズ昭和二十年八月十五日終戦トナル茲ニ我等地元民相諮リ本山ノ拂下ヲ為シ日常最モ困窮シツゝアル燃料ノ補給地トナシ併セテ本山ヲ開発シ住民生活ノ安定ヲ図リ戦後ニ於ケル国家ノ再建ニ寄与スベク之ガ拂下方ヲ町当局ニ申出デ時ノ町長金木清兵衛氏ノ助力ニヨリ昭和二十年十一月町議会ニ提出シ其ノ議決ヲ得テ政府ニ拂下申請ヲ為スヲエタリ爾後四ヶ年内外共ニ生ゼシ幾多ノ妨害ヲ排シツゝ部落民常ニ一致團決所期ノ目的ニ向ヒ邁進シツゝアリシ處偶々昭和二十四年強力ナル部外者ノ本山拂下ニ対スル申請ニヨリ一時其ノ拂下ゲヤ極度ニ憂慮セラルベキ状況ニ立至リタルモ時ノ町長石井捷氏助役榎本明氏ノ献身的努力ト区長代田栄隆氏ノ住民ヲ率イテノ熱意トハ遂ニ東京財務局ヲ動カシ同年十月五日富浦町ニ拂下ノ指令ニ接シ同日附ヲ以テ多田良区ニ譲渡ノ運ビトナリ直チニ大房山處理委員会ヲ結成シ其ノ後六ヶ年本山ノ處理ニ当リ其ノ完結ヲ見ルニ至ル依而茲ニ本山ノ概歴ヲ記ス
昭和三十年十二月建立之」
裏面:
「名稱 旧陸軍大房岬砲台同交通路
 面積 五十二町五段七畝歩
 拂下代金 二百四十九萬四千二百十円
大房山處理委員会
特別委員委員長 代田栄隆 副委員長 鈴木福次郎 会計 榎本明
委員 大山傳造 岡本栄太郎 山本茂安 鈴木範右エ門
一般委員 岡本要太 中途退職 大山徳一 中途就職 辻久吉 中途退職 小林栄春 中途就職 大山權之助 茅野清吉
一般委員 芝初三郎 鈴木豊吉 岡本博 渡辺寅吉 鈴木房五郎 山本信太朗 和泉春吉 山本鶴吉 増田留五郎 木辰之助
  拂下関係係区長 花輪常次郎 代田栄隆
測量士 畠山武」