大房岬砲台

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<沿革>南房総市
昭和3年1月:起工
昭和3年9月:砲塔据付完了
昭和7年10月:竣工
太平洋戦争時にも戦備につき、終戦時残存、米軍によって破壊される。
砲塔四十五口径二十糎加農二基四門

<構造>
ワシントン軍縮条約の結果解体されることとなった巡洋戦艦「鞍馬」の第1号、第2号連装副砲を据え付けた砲台。
岬全体が砲台敷地となっており、入口部分に看守衛舎、兵舎、食堂などの居住施設及び砲具庫、油庫などの付属建屋が立ち並び、砲塔は標高80mの先端部北側にほぼ南北に2基が40m間隔で設置された。 他の砲塔砲台では軍艦のように砲塔の下部に砲側庫を設けているが、ここでは真下ではなく背部に地下砲側庫を設けている。発電所は両砲塔の中間後部に設置されていた。
観測所は砲塔の左手前方に築かれ88式海岸射撃具が収納された。
照明所は2カ所あり、1基は先端南側に井戸昇降隠顕式(第二掩灯所)ともう1基は西端にあった。 西端の探照灯は、普段は中央部の掩灯所(第一掩灯所)に格納されており、照明所まで軌道で移動させた。 探照灯の発電所は背部の谷に地下式で設けられた。 北岸には繋船所が造られた。
大房崎には、砲台のほかにも海軍の聴測所や魚雷艇基地、陸軍の戦車壕などがあった軍事岬であった。

<現状>
現在、岬全体が大房岬自然公園となっており南房総国定公園に指定されている。そのためか、現在も岬の先端部に点在して遺構が残り、南房総市の指定文化財として保存公開されている。
2基あった砲塔は、南側の砲座は花壇となって残っているが、北側砲座は何も残っていない。砲塔に付属する砲側庫はそれぞれ残存している。 観測所は破壊されたままの残骸が残っている。
最大の構造物は井戸式照明所で、深い照明井戸とそれをつなぐ地下通路及び地下付属施設が残っており、自由に見学できる。 発電所も残っているが、残念ながら危険のため入口が塞がれている。 もう一基の照明については掩灯所のみ残る。 兵舎等の建屋は全て残っていない。

(砲座、砲側庫)
第2砲塔砲座。レンガ貼の花壇に変貌している 第2砲塔砲側庫南側入口 同左内部暗路

第1砲塔砲側庫北側入口 同左砲側庫内部。弾薬庫が2室。同形上である。

躯体は表面にアスファルトを挟んだモルタル貼 換気筒。通路と弾薬庫2室の計3基ある 排水施設

(照明所)
第2掩灯所平面図。電灯井へは地下通路を経る構造。通路の手前には
地下施設があるが、通路間には露天中庭がある。→右写真:上から見た電灯井

↑地下通路入口。奥に向かって緩い下り坂
←電灯井底部。手前の空間に引きこんで格納した。
地下施設。現在内部はがらんどうだが、位置的に
みて電灯関係の倉庫と推測

第1掩灯所。第1照明所まで軌条が敷設されていた 第1掩灯所脇にある用途不明の建物 第2掩灯所地下通路からの縦穴出入口

(発電所)
電灯用地下発電所正面
 
同左入口部分。土で埋まっている
         右写真:換気筒。2基ある。→

(観測所)
破壊された観測室
 
88式観測所の付属施設
         右写真:大房山拂下記念碑→

(兵舎跡)
階段上に平場が造られている 今に残る井戸 埋め戻された防空壕