横須賀海軍軍需部本部地区長浦倉庫

海軍施設

JR田浦駅の裏に広がる倉庫地帯。古めかしい倉庫の間を引込み線が入り込んだ一種独特の雰囲気でテレビのロケなどでよく使用されている。 これらの倉庫は横須賀海軍軍需部第一課の倉庫で砲熕、水雷、機雷、通信、航海、電機関係などの兵器を格納していた。戦災を受けていないため、戦後、民間や自衛隊施設に転用され多くの倉庫が現存している貴重なエリアである。
現存する倉庫は、相模運輸倉庫エリアでは、K倉庫(旧光学兵器庫)、E倉庫(旧兵器修理場)、F倉庫(旧第三水雷庫)、G倉庫(旧第三電機庫)、H倉庫(旧通信兼電機兵器庫)、7番倉庫(旧第一水雷庫)。G、H倉庫は見かけは新しいが、形が旧状であるため、外壁を補修したものと思われる。
自衛隊エリアでは、横須賀造修補給所の倉庫として、旧砲銃倉庫、旧第二電機庫、旧第一兵器倉庫、旧第二計器庫、旧航海兵器庫、旧第二兵器倉庫が使われているようである。基地内のためはっきり確認できていないが、外観こそ改修を受けているが、内部はそのままではないだろうか。中でも、N-4糧食倉庫として使われている旧第二計器庫はレンガ壁が残っており、貴重である。F倉庫もレンガ造であるがモルタルが貼られている。
南の丘陵中段には直径20mほどの大きな地中タンクがある。貯油タンクと推測している。

米軍撮影の空中写真(昭和22年撮影)

現在

K倉庫(旧光学兵器倉庫)
昭和3年

E倉庫(旧兵器修理場)
昭和14年)

F倉庫(旧第三水雷庫)
大正6年

G倉庫(旧第三電機庫)
昭和3年

H倉庫(旧通信兼電機兵器庫)
昭和17年

7番倉庫(旧第一水雷庫)

旧第二電機庫

旧第一兵器倉庫

旧第二計器庫、大正10年

旧航海兵器庫、昭和16年

砲銃倉庫

引込み線。かっては倉庫間を
網の目のように走っていた。

相模運輸倉庫エリアを俯瞰する。いろいろな形状の倉庫が立ち並び見ているだけでも面白い。手前緑色屋根は旧砲銃倉庫。

貯油タンク

中央部の柱状遺構

円柱上部の周囲には忍び返し
のような針金が付いている。

直径約20mの大穴

壁の内側に鉄梯子があるが、
切断されており降りられない

このページのトップへ