大楠海軍機関学校(海軍工機学校大楠分校)

海軍施設
戻る

(沿革)
・昭和03年06月25日:海軍工機学校設立
・昭和18年04月27日:海軍工機学校大楠分校設置
・昭和19年10月01日:舞鶴にあった海軍機関学校が海軍兵学校舞鶴分校に改称
・昭和20年03月01日:海軍工機学校は横須賀海軍機関学校に改称。大楠分校は大楠海軍機関学校として独立。
・昭和20年05月15日:横須賀海軍機関学校が大楠海軍機関学校の分校となる<。大竹分校及び宇部分教場を付属
・本土決戦に向けて教育内容縮小、繰り上げ卒業が行われた。
・昭和20年8月15日 終戦

(概要)
・工機学校とは、機関科の術科学校であり、昭和3年、白浜の旧海軍機関学校跡地に開校したが、大東亜戦争による機関科要員拡充のため校舎狭隘となり、昭和18年に、武山海兵団の隣接地に分校を開設した。これが大楠機関学校の前身である。
・昭和20年3月には、舞鶴の機関学校が舞鶴海軍兵学校舞鶴分校に改められたことに伴い、工機学校が横須賀海軍機関学校に改称、分校は大楠海軍機関学校として独立した。結果、二つの機関学校が並立したが、大楠機関学校は、機関術のうち内火機関、電力機関、補助機械に関することを取扱い、横須賀機関学校はそれ以外を扱うことになり、両校密接に連携して機関術教育の充実を図る事となった。終戦まで半年足らずであったが、大楠海軍機関学校では、高等科練習生や普通科練習生の教育を行ったが、一般兵科予備学生や海軍特別年少兵が普通科練習生として教育を受けたことが特筆される。また、特攻兵器である「海龍」「蛟龍」などの特攻要員の教育も行われた。 昭和19年末頃には、在職、在校生をもって、大楠警備隊を編成、陸上警備も担った。

(現状)
・戦後、連合軍に接収されたが、昭和33年、超高圧電力研究所(昭和52年に解散、電中研超高圧電力研究所〜現、横須賀研究所)、立教大学原子力研究所(昭和36年運転開始)、富士電機製造梶i原子力関連企業)に払い下げられた。しかし、現在、富士電機は撤退し、電力中央研究所と立教大学原子力研究所(廃炉中)、横須賀市西浄化センターなどが立地している。
・当時の遺構としては、最近までボイラー室が残されていたが撤去され、建物遺構は何も残っていないものと思われる。西側の丘陵に残る地下壕のみが学校の存在を偲ばせる遺構である。なお、海上自衛隊第一術科学校(江田島)の教育参考館で展示されている「海龍(特攻用潜水艇)」は、当校で教材として使われていたものである。
*地下壕は見学不可であり、電力中央研究所の一般開放日にのみ「洞窟探検」として入壕できる。

正門の脇門柱が2本残る。レンガ造である。 戦後直ぐの写真。ほぼ戦災を受けていない。建物の多くは兵舎や実習所である。

電力中央研究所 かっての正門の場所。面影は完全消滅。 神社跡候補地。特定するもの未発見。
(地下壕)
西側丘陵に横穴式で構築されている。延長約400mのA壕と延長約50mのB壕。中腹に穿たれた延長約70mのC壕の3個所が確認できた。昭和19年頃から空襲対策として掘削されたものと推測される。

A壕:崖面に沿って並行にラダー状に構築されている。開口部は3か所で、西端部には天井高の高い大空間の部屋が設けられている。床面の両側には排水用の溝が穿たれ、丁寧な湧水対策が施されている。東西両端は掘削中であり、太平洋戦争終結まで掘り続けられていたことがわかる。現在、壕内の東側には各種測機が設置され、電力中央研究所の地震計測壕として使用されている。
@天井高6mほどの大空間。講堂? A最西部開口部。壕内唯一の水没個所。 B幅4mと広い枝壕
C空襲退避時の御真影奉安所と推測。 Dこの辺りに地震計測器が設置されている。 E地震計測室出入口。一般公開時の出入口でもある。

B壕:開口部が2か所のコの字型の壕である。内部には機械を据え付けたコンクリート製の基礎がいくつか残され、また壁面にも矩形の掘り込みが数か所見られる。これらから機械を使った実習が行われた壕(実習所壕)と推測する。機械間を結ぶように配されているコンクリート製の側溝が見られるが、排水ではなく電纜溝と推測する。
B壕平面図:白部分が基礎。基礎を廻る白線が電纜溝 @機械の基礎部分。手前の溝が電纜溝 A東開口部から壕中央部を望む。

C壕:現状行止りの壕であるが、形状から見て貫通する予定なのであろう。入口部分は高さ2m、幅2mの正方形であるが、奥に進むと広がり高さ2.4m、幅2.8mほどになる。途中、不可思議なU字型の枝壕がある。こちらの壕も通路の両側に排水用の溝が設けられている。
C壕平面図:矢印は撮影方向。 @御覧の通り、縦横2mの正方形の断面である。 A行く手左右に枝壕が分る。
Cぐるっと回って出て来る。目的は何か。 D配線用の碍子がかなり残っている。 E入口部分と比べて一回り大きい。