料亭「小松」

軍事関連施設
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小松の名前は年配の方々には憧れをもって語られる横須賀では知らぬ人のいなかった海軍料亭である。
軍隊は階級社会のため、料亭も階級に応じて使う店が決まっていた。小松や魚勝は将官クラスが利用する最上級の料亭である。隠語で「パイン」と呼ばれていた。
明治18年、山本小松さんにより、田戸海岸に開店し、現在地には大正12年に移転した。創業以来、海軍と共に歩み、太平洋戦争中にはトラック島に支店を出したという。

私も、何回か利用したことがある。なかでも、100畳敷きの大広間で大女将から山本五十六大将の揮毫などのお宝を見せていただき、当時の海軍大将との交流のお話を伺ったことや長官部屋(歴代の連合艦隊や鎮守府の司令長官らが愛用した)で食事をしたことは、大おかみの凛とした立ち振る舞いと合わせて忘れられない思い出である。
当時は、宴会などで利用する場合、準備ができるまで応接室に案内されるが、ここはモダンなステングラスが嵌められた部屋で、内部には駆逐艦(名前は忘れた「ゆきかぜ」だったか…)の舵輪やここを利用した海自や海軍関係者の方々が寄贈していった品々が所狭しと飾ってある。また、玄関から続く廊下には帽子やコートをかける鉄製のフックが並んでいたのが印象的であった。
なお、創業者の自伝や小松物語などの書籍が出ているので詳しいことはそれらをご一読下さい。 現在、大広間のある本館や離れは存続しているが、脇のダンスホール部分はマンションとなっている。

※非常に残念ですが、平成28年5月16日夕刻の火災により焼失してしまいました。