海軍指定旅館

軍事関連施設
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横須賀は明治以降の海軍施設の発展に伴って、海軍関係の宿泊者が増加し、いわゆる軍人旅館が多数生まれてきた。昭和に入り、海兵団に入団する兵士の増加により、海軍が宿泊する旅館を指定する制度が生まれた。 これが海軍指定旅館で、一国屋、横須賀屋、三笠館、逸見旅館、蓬莱屋など市内の全旅館が割り当てられたという。 出征して海兵団に入団する兵隊が、見送りの家族らと最後の一夜を過ごしたのがこれらの旅館である。 正式には横須賀海軍下士官兵集会所指定旅館というらしい。
しかし、調べたかぎりでは、現在これらの旅館は、ほとんど残っておらず、旅館として営業しているのは一国屋だけであるが、その建物は建替えられているし、建物が現存しているのは上町の蓬莱屋だけと思われる。

〔逸見旅館〕
名前のとおり逸見の浦賀道沿いに建てられていた。明治中ごろに旅籠屋として開業、戦後も営業を続けていたが、残念ながら最近取り壊された。
写真は、平成19年夏に撮ったもの。木造2階建で、壁は新しいトタン張りに変えられているが、1階の外の格子や2階に取り付けられた旅館名の行灯に当時の面影が偲ばれた。

〔蓬莱屋〕
看板建築が数多く残っている上町商店街の中ほどに建てられている。外観を見ただけでは、ここが旅館であったことは全く分からない。
木造3階建で、2階、3階の外壁には銅板が張られ、レトロな味わいを漂わせている。3階は少し後退しており、あとから増築された感じである。現在は、この雰囲気をいかして、旅館ではなくギャラリーとして活用されている。