野比海岸

トーチカ
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太平洋戦争末期には、三浦半島の沿岸には米軍上陸に備えた本土決戦陣地が構築された。 野比海岸から三浦海岸にかけては砂浜地帯であるため、鉄筋コンクリート製のトーチカが築かれた。 現存するものはないと思っていたが、野比海岸に2カ所残っていた。
トーチカ1は野比海岸バス停脇の藪に覆われた未利用地にあった。最近老人ホームの建設工事で藪が取り払われ観測搭状の構造物が出てきたため、教育委員会に調査を依頼した。
写真は調査の様子である。この後、埋められてしまう運命である。 見えた範囲では、出入口は海に向かって左側面にあり、内部へは観測塔のある前室を経て入るようである。 銃眼は、海に向かって右側面に開口している。 入口は現状地盤よりかなり低い位置であることから、前面の道路工事で積土されかなり地盤が上がっているものと思われる。
トーチカ2は、1より1kmほど西の高台にある。 建物の基礎の一部になり地下室としても使われていたそうである。上物の建物が破却されたため現れてきたが、民地であり、いずれ破壊されるものと思われる。
<トーチカ1>
観測塔と思われる。この下に本体が埋まってい
た。屋根はかまぼこ型であった。
資材不足のためか、一部細い鉄筋を針金で束ね
て使われていた。
壁の黒い穴が銃眼。海正面ではなく側面に開口
<トーチカ2>
側面から 背面から 入口部分