猿 島

高角砲台(防空砲台)
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横須賀海軍警備隊 第五高角砲大隊所属 猿島高角砲台という。
昭和16年の開戦時には荒崎、小柴崎砲台などと同様40口径三年式8センチ高角砲4門が設置されていた。しかし、昭和17年4月18日のドゥーリットル空襲の際、山頂が死角となり射撃ができなかったことから、山頂部への移設が検討されていた。昭和19年10月に8センチ高角砲を12.7a連装高角砲に換装する訓令が出され、山頂への移設に合わせて12.7cm連装高角砲に交換された。
装備は、昭和20年7月の段階で、12.7cm連装高角砲2基4門、25mm単装機銃2基2門、二式陸用高射器1基、九八式4m半測距儀1基、ステレオ式2m高角測距儀1基、九七式2m高角測距儀1基、九六式150cm探照灯1基、九六式110cm探照灯1基が装備され、人員142名。 (横須賀海軍警備隊昭和20年7月31日戦闘詳報等による)なお、なお、実際に猿島の配備についた方の話では25ミリ単装機関砲のほかに40ミリ連装機関砲も設置されていたとのことであり、記録にも昭和17年5月30日、40粍連装機銃2基中1基のみ完備とある。
猿島は明治14年、陸軍により猿島砲台が起工され、24センチ加農4門及び27センチ加農2門の砲台として偉容を誇ってきたが、関東大震災により損傷し、大正14年除籍された。 除籍後、猿島全体が海軍に保管替となり、海軍は防空砲台として8センチ高角砲を設置した。前述のように大戦中に12.7センチ連装高角砲に換装された。
現在、防空砲台の遺構としては、8センチ高角砲4基及び12.7センチ連装高角砲2基の砲座が残っているほか、防空指揮所や兵舎跡、陸軍時代から使われていた発電所(電気燈機関室)などが残っている。また、この他にも掩蔽壕や用途不明のコンクリート構造物がいくつかあり、往時を偲ばせている。
*写真は、昭和22年2月米軍撮影の空中写真。島の東側高地に12.7cm連装高角砲の砲座がある。西側の小さな円形掩体は機銃や測距儀と推測される。陸軍砲台期の切通幹道上に東西を結ぶ橋が2カ所設置されている。

円形のコンクリート砲座が残っている。 後背部に方形の地下掩蔽部があ
り、両側から階段で進入する。
中央の砲固定ボルト。左右にも小
さい円形のボルトが残る。
砲座内部。周囲の壁は、武山や
衣笠では擂鉢状だが、垂直であ
る。砲側弾薬庫は同様で8基。
砲座への出入口。 出入口脇にある建物の基礎跡。
地下構造がある。
こちらの砲座は土に埋もれて全体
像は不明。砲側弾薬庫が3基確認
できる。
砲座への出入口。地形によりL字
に曲がっている。内部には弾薬庫
状の部屋が有る。
出入口掩蔽部の上部。換気の
ためか方形の穴が開いている。
島の中央高台にある防空指揮所。
戦後改変されたおそれがある。
地下1階地上2階であるが、地下部
と地上部は別の年代に造られたよ
うである。
1階内部。測遠機の基礎状の円柱
が立っている。
指揮所脇の発電機室の燃料タンク
基礎跡。
兵舎跡 加農砲の横檣上に建つ鉄筋コン
クリート建物。
用途不明の構造物。 素掘り壕。右手に上部平場に続く
階段がある。