猿島は明治14年、陸軍により猿島砲台が起工され、24センチ加農4門及び27センチ加農2門の砲台として偉容を誇ってきたが、関東大震災により損傷し、大正14年除籍された。
除籍後、猿島全体が海軍に保管替となり、海軍は防空砲台として8センチ高角砲を設置した。前述のように大戦中に12.7センチ連装高角砲に換装された。
現在、防空砲台の遺構としては、8センチ高角砲4基及び12.7センチ連装高角砲2基の砲座が残っているほか、防空指揮所や兵舎跡、陸軍時代から使われていた発電所(電気燈機関室)などが残っている。また、この他にも掩蔽壕や用途不明のコンクリート構造物がいくつかあり、往時を偲ばせている。
*写真は、昭和22年2月米軍撮影の空中写真。島の東側高地に12.7cm連装高角砲の砲座がある。西側の小さな円形掩体は機銃や測距儀と推測される。陸軍砲台期の切通幹道上に東西を結ぶ橋が2カ所設置されている。