<構造>
要塞砲の主砲であった28糎榴弾砲を上回る性能を求めて設計された30糎長榴弾砲が設置された砲台。
もともと西浦砲台に設置する計画であったが地盤不良により中止となったため本砲台に設置されたようである(三浦半島城郭史より)。
砲座は南北に一直線に並び、首線は西。砲座間に横墻は設けられていない。砲座の両端には地下砲側庫が築かれている。
北側砲側庫は2室が並んだ横穴式で、南側は横穴式の単独庫と隧道内に直角に掘り込まれたものと2カ所築かれている。
更に南手には建物基礎部分が数カ所残っていることから補助建物が数棟建設されていたようである。
また、北側には炸薬填実所と言われている鉄筋コンクリートカマボコ型構造物が残されている。
観測所は、砲台西方の御手洗山の第1観測所、その東南の前山に第2観測所が設けられ、いずれも88式海岸射撃具が据えられた。遺構から見るにコンクリート製の半地下式であったようだ。
なお、昭和2年に砲台の南方谷戸の奥に洲崎弾薬支庫が建設された。湿気を防ぐため外庫、内庫の2重構造になっていたが、現在、内庫は存在していない。
また、最寄りの波左間海岸には弾薬、資材搬入用に繋船場が造られた。