東京湾要塞房総半島側、金谷砲台の敷地の境界標石である。
砲台山全体のほぼ全域と北側にすそ野を含めた広い範囲がその敷地であった。
紹介しているのは主に東側の標石であるが、北側には見つけられなかった。また、南側は未調査である。
標石とともに警戒柵もあったようだが、こちらは残っていないようである。
(標石について)
・標石は2タイプ存在する。タイプ1は、1辺20p、御影石製で雑な作りである。刻字も大きさがまちまちであり、境界線を示す頂面の矢印も雑である。刻字は表面は「陸」の一文字、裏面に「防」と通し番号、例えば「一〇七」が刻まれている。
・タイプ2は、1辺18p、コンクリート製、頂面に境界矢印はない。刻字は小さめ。設置状況から見て、標石の主は御影石製であるが、途中にこのコンクリート製が混じっている感じである。通し番号は枝番である。
・このことから推測すると、当初は御影石製の標石のみ、枝番なしで設置したが、何かの理由で、間にも設置する必要が生じ、枝番対応とした。その際にコンクリート製も使用されたのであろう。また、なぜか、タイプ2標石は頭部分が破損している。