明治35年7月24日に、板橋火薬製造所で発生した爆発事故で殉職された技手1名、職工9名を慰霊するために、一周忌にあたる明治36年7月24日に製造所有志によって建立された。爆発の原因となった無煙火薬は、国内で初めて板橋で生産された最新の火薬だったが、安定性に問題があり、たびたび爆発事故が起こった。(板橋区文化財マップより)
なお、碑は台石がなく基礎から直接立ち上がっている。移設された可能性が高い。
令和2年度、板橋区の有形登録文化財になっている。板橋区は板橋火薬製造所関連の歴史を文化財として保護、公開に努めている。
因みに、同公園には火薬製造に関連する圧磨機圧輪記念碑がある。
碑高235p、幅73p、厚さ16p。
所在:加賀西公園(板橋区)
(刻字)
碑正面:「招魂之碑」
碑裏面:「明治三十五年七月廿四日板橋火薬製造所火災起リ各員之ガ消
火ニ勉ム偶々爆然タル猛火ハ勢迅雷ノ如ク襲ヒ来リ陸軍技手
花土丈七職工今井吉次郎邉見忠一常磐勝次郎金子徳次郎田中
信太郎木文次郎石原吉五郎渡邉誠次郎新井久太郎ノ諸君ヲ
包ミ遂ニ非命ニ斃レシム誠ニ悲惨ノ極ト云フベシ然リト雖モ
死生固ト命アリ諸君ノ死ヲ以テ其任ヲ竭シ以テ災害ヲ一局ニ
制シ巨萬ノ財ヲ火神ノ厄ヨリ免レシメシモノ其功績亦偉大ニ
シテ以テ瞑スルニ足ルベシ茲ニ其壹周忌ニ際シ義金ヲ醵出シ
碑ヲ立テ以テ其靈ヲ吊シ其魂ヲ慰ムルト而云
明治三十六年七月廿四日 板橋火薬製造所有志一同 永代回向料金五圓納之」