母子像:出征兵士を送る |
軍事遺物 |
戻る |
金沢区柳町のロータリーに建つブロンズ像は、戦後の埋立造成により生まれた柳町のシンボルとして設置された。 説明碑: 「母子像 この像は、昭和41年(1966)史跡豊かな景勝の地金沢八景に誕生した柳町のシンボルとして建てられました。 作者は、絵画・彫刻に多くの優れた作品を残した日本芸術院会員・文化功労者の清水多嘉示先生(1897〜1981)です。近代彫刻の巨匠フランスのブールデルに師事した先生は、師の卓越した技を受け継ぎ、その作風は格調高く温かさと慈愛に満ちています。 この母子像も、平和を願う住民の気持ちを見事に表現しており、末永く柳町の発展を見守り続けることでしょう。 平成20年(2008)全面的に修復が行われ、正式に宅地造成業者から横浜市へ寄贈されました。 平成22年1月 柳町町内会」 しかし、この像は、日中戦争のさなか、作者の清水多嘉示が建設を計画した千人針供養堂を飾るために昭和14年に造られたもので「出征兵士を送る」と題されていた。 当時は金属不足のため石膏像であり、 昭和15年10月1日から22日まで上野公園東京府美術館で開催された「紀元二千六百年奉祝美術展覧会」に出品された。 翌年太平洋戦争に突入したため、計画は実現せず、石膏の鋳型はそのまま保存されていたが、戦後、その鋳型から4体のブロンズ像が鋳造された、そのうちの1体である。 残りの3体は、八ヶ岳美術館、岡谷市蚕糸公園、長野県総合教育センターに設置されている。 また、展覧会に出品された石膏像は個人蔵となっている。 なお、三笠公園の東郷平八郎像も清水多嘉示先生の作品である。 参考:ぶらり金沢散歩道(2003年金沢郷土史愛好会発行) ←写真は、紀元二千六百年奉祝美術展覧会の様子。 | ||
国立国会図書館ウェブサイトより |