誠心山之碑(桜小学校)

軍事遺物
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坂本中学校、桜小学校のあたりはかって陸軍重砲兵連隊があった場所である。 連隊の敷地内、現在の聖佳幼稚園のあたりには「誠心山」という人工の丘があり、大正14年12月に、由来を刻んだ碑が建立された。
現在は、桜小学校校内の横重会が建てた「横須賀重砲兵聯隊跡の記念碑」の隣に移築されている。碑前面には碑の由来、裏面には誠心山の構築の記録が刻まれている。
碑高146p、幅125p、厚さ28p、台石(溶岩)40cm、基壇76p。
所在:桜小学校(横須賀市)


(刻字) 碑正面: 「誠心山之碑
陸軍大将元帥従二位勲一等功二級子爵上原勇作篆額
夫レ道ハ窮リナク慾望ハ限リナク自力ハ頼ミ難ク本能ハ抑ヘ 難シ理ニ據テ道ヲ修メムト欲セハ孰レカ克ク我カ心ノ貧シキ ヲ嘆セサルモノアラムヤ然リト雖モ人各〃善根アリ至誠真摯 深ク自ニ省ミテ倦マサルトキハ則チ道義ノ念自ラ高マリ物慾 ノ情自ラ降リ男兒真箇ノ快心ハ善ヲ行フヨリ大ナルナキ所以 ヲ感得シ進テ享楽ヲ遠サケ艱苦ヲ意トセス言行只善根ニ従ハ ムコトニ希フニ至ルヘシ恭シク惟ミルニ
明治天皇曩ニ軍人 ニ勅シテ五條ノ道ヲ諭シ一誠以テ之ヲ貫クヘキヲ訓ヘタマヒ 是レ天地ノ公道人倫ノ常経ナリ行ヒ易ク守リ易シト宣ヘリ誠 ノ行ヒ易キ以テ知ルヘキナリ先任聯隊長荒城大佐深ク意ヲ士 卒箇性ノ修養ニ致シ各自ノ反省ヲ促サムト欲シ地ヲ榮庭ニト シテ一小假山ヲ築ク山ハ心字ニ象リ植ウル所ハ悉ク常緑ニシ テ四時色ヲ失ハス森嚴ノ氣四邊ニ充チ宛トシテ神坐マスカ如 ク人ヲシテ粛然襟ヲ正シテ善根ニ緊張セシムルモノアリ名ケ テ誠心山ト云フ真トニ故アリ若シ夫レ将卒日夜之ヲ瞻仰シテ 戰競己レヲ省ミ誠心以テ公ニ奉セハ真箇干城ノ責ヲ完ウスル ノミナラス又以テ箇人生涯ノ立命ヲ得ルニ庶幾カラムカ乃チ 茲ニ石ニ刻シテ其ノ由来ヲ昭カニスト云爾
大正十四年十二月
横須賀重砲兵聯隊長正三位勲三等稻留國彦撰
勲七等押鐘耕三書」

裏面:
「構築記録
本山ノ構築ハ大正十三年秋季演習後聯隊将卒全 員カ公務ノ餘暇殆ント休憩ヲ癈シテ拮据経榮シ タルモノニシテ土壌ハ前年大震災後整理ノ為メ 生シタル餘壌ヲ利用シ又樹木ハ總テ管内及ヒ練 兵場ヨリ移植セルモノナリ左記委員主任トナリ 日ヲ閲スルコト六旬延人員約二千人ヲ要セリ
構築委員長陸軍砲兵少佐津久井民造
同委員陸軍砲兵中尉   小久保詮三郎
同助手陸軍砲兵特務曹長松木平内
同  同           岡田政太郎」