明治天皇御駐蹕の碑

軍事遺物
戻る

明治天皇は横須賀造船所の巡覧のため度々横須賀に行幸された。明治4年、6年、8年には向山行在所(海軍兵学校教師館)に宿泊されたが、このことを記念し、明治天皇行在所の記念碑と付属小公園が建設されることとなった。
昭和8年11月3日(明治節)工事が完成し、八幡山の中腹(現緑ケ丘学院下)に東郷元帥の書による碑が建てられ除幕式が行われた。
小公園には加藤大将揮毫による聖蹟の碑と各種植栽及び児童遊具が設置された。
碑は御影石製の堂々たるもので、碑の先端には地球を表わす球体がありその上に羽を広げた金鵄像が乗っている。正面には「明治天皇御駐蹕」(駐蹕:ちゅうひつ とは君主が行幸中にとどまること)、「元帥東郷平八郎謹書(花押)」の文字が刻まれている。
除幕式での工事経過報告によると、「碑石台ハ二段トシ、塔身高サ十二尺二寸、上部球径二尺五分、凡て茨城県稲田産花崗岩ヲ用ヒ、頂部ノ金鵄ハブロンズ製ニシテ、塔ノ周囲ニ玉垣ヲ囲シ、地上総高二十二尺二寸五分トス 〜以下略」。

碑を囲む柵に事績を刻んだ石板が取付けられており、内容は以下の通り。

「明治天皇御駐輦御事跡
一明治四年十一月二十一日東京濱御殿ヨリ龍驤艦ニテ行幸造船所各工場ヲ御巡覧御二泊ノ
 後東京丸ニテ還幸
二明治六年十月十七日 皇后陛下御同列ニテ横濱港ヨリ蒼龍丸ニテ行幸造船所ヲ御巡覧御
 一泊翌十八日行在所ニ於テ猿島沖ノ艦隊運動ヲ天覧蒼龍丸ニテ還幸
三明治八年三月五日清輝艦進水式ノ爲横濱港ヨリ龍驤艦ニテ行幸造船所組立工場ニ陳列ノ
 清輝迅鯨兩艦ノ汽機ノ天覧ノ後式場臨後終リテ御一泊翌六日海軍兵學分校造船所黌舎ヲ
 御巡覧明治丸ニテ還幸
   横須賀海軍船廠史ニ據ル
   鹿山 野口力造拜書」

麓には、昭和9年に建てられた入口を示す石柱が現存している。石柱には隣合う2面に「明治天皇横須賀行在所入口」、残る1面に「昭和九年 汐留明治會建之」と刻まれている。
なお、昭和8年12月、向山行在所跡が国指定史蹟となり、昭和11年に行在所阯の碑が聖蹟の碑の隣りに建立された。