東京都戦没者霊苑(文京区)

軍事遺物

先の大戦における東京都関係戦没者約16万余の慰霊と都民の平和への願いをこめて昭和35年6月に建立されたが、昭和62年老朽化により全面改修を行い昭和63年3月竣工。敷地はかつての水戸藩上屋敷跡で、明治になり陸軍の技術学校(諸工伝習所から陸軍工科学校)があった場所である。
入口は礫川公園側と春日通り側と2か所あり、内部は東京都戦没者鎮魂の碑を中心に、前面に参列広場、奥に玄室の建物、周囲には幾つかの碑が設置され、休憩所及び展示室(2階)もある。展示室にはご遺族から預かった各種遺品が展示されている。
・開苑時間:9時から17時(平日20時)。年末年始休苑。入苑無料。 
・所在:東京都戦没者霊苑(文京区春日1−14−41)
・アクセス:東京メトロ「後楽園」駅 徒歩3分   ⇒施設HP

参列広場。奥に鎮魂の碑。
苑内案内図

「由来文  東京都戦没者霊苑は昭和六年の満州事変からに日中戦争を経て、昭和二十年(一九四五年)八月の太平洋戦争終結までの東京都関係戦没者約十六万人の霊をまつる。  敷地は、昭和十五年に忠霊塔建設予定地に選ばれた小石川陸軍工科学校跡地である。  昭和三十五年、ここに東京都戦没者霊苑が建設されたが、それは歳月の中に老朽した。 また年々齢を加える遺族が、安全に慰霊祭に参加するための配慮も必要となった。  そこで戦没者の慰霊と平和への願いを新たに、このたび全面改修を行い、昭和六十三年(一九八八年)三月に完成した。  設計は建築家相田武文、碑文は芸術院会員、文化勲章受章者山本健吉、碑銘の揮毫は東京都知事鈴木俊一による。  私たち都民はこの霊苑につどい、霊前にぬかずき、改めて戦争とは何であったかを深く考えたい。  戦没者の御霊にお願い申上げる。  お声を風に托して、戦争の実態を私たちに語り聞かせていただきたい。  そして私たちが強い意志と英知をもって、平和を守るという至上の命題にとり組めるよう、お導きいただきたい。  霊苑が戦没者の御霊と私たちの心の通い路になることを願って、ここに謹んでその由来を記す。 角田房子」

東京都戦没者鎮魂の碑
戦没地域表示板
民生委員・児童委員顕彰碑

碑正面:
「御製 みそとせを へにける今日も のこされし うからの幸を ただいのるなり  侍従長入江相政謹書」

碑裏面:
「碑文 昭和五十二年十一月十七日 天皇陛下日本遺族会創立三十周年記念式典にご臨幸 戦没者遺族の心情を察せられ御製を賜る これを記念しこの碑を建立する  財団法人東京都戦没者会 〜」

遺品展示室と休憩室がある建物
遺品展示室内部
硫黄島からの収集遺品
先の大戦における主な戦没地域

諸工伝習所跡記念碑。かってこの地に存在した陸軍施設の記念碑。

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