第15突撃隊に属する江浦(えのうら)特攻基地は江浦湾、内浦湾の沿岸地域に展開していたが、このうち江浦地域には、引渡文書によると蛟龍隊が配置される予定であったと推測される。そのための横穴式地下壕が二つのエリアに構築されていた。
西エリアには蛟龍4隻分の格納壕と魚雷調整場、ウインチ、水槽、燃料庫などの地下壕が12本掘削されたようだ。現在は国道の改良工事により崖が削られ、コンクリート吹付けされたため、その痕跡は認められない。わずかに、両端と思われる2本の壕が確認できるのみである。
東エリアは、蛟龍に搭載する魚雷の格納壕が5本掘削され、いずれも現存している。