稲取基地

海軍特攻基地

東伊豆を代表する温泉地「稲取」に構築された震洋特攻基地。第140震洋隊が置かれ、昭和20年7月に基地進出。搭乗員50名を含め総員170名の部隊であった。しかし、配備された震洋艇は6隻。稲取港の北岸に横穴壕。湾の南北に水平砲台が築かれていた。
引渡文書によると格納壕は8本、居住、倉庫壕が9本で、並んで構築されていた。前面の海岸は現在は護岸化されているが、当時は砂浜で防波堤の内側に斜路が設けられていた。
地元の古老の話によると、当時は港内で訓練が行われ、終戦時に震洋艇は砂浜で燃やされた。また、格納壕は雨などで崩れてしまい、石垣が造られ、その前に住宅が建てられており、壕は残っていないという。
実際、調べたところ、遺構は確認できなかった。また、水平砲台は格納壕の隣に1基と湾南側に2基構築されていたようであるが、いずれも発見できていない。特に湾南側には温泉ホテルが立ち並んでおり、消滅している可能性が高い。

稲取港全景。北側の高台から望む。
正面の台地の崖に水平砲台が2か所設けられていたようだが、この通り、建物が立ち並んでおり、消滅した可能性が高い。
震洋艇は6隻しかなく、この港内で訓練が行われていたらしい。

正面、住宅群の裏に格納壕が並んでいた。

格納壕跡の現在の様子

古老の話ではこのビルの裏にあったという。

赤尾ホテル、伊藤園ホテル、浜の湯等が林立。
この辺りにあったのであろう。

稲取岬灯台下の海岸。
この辺りは大変険しく構築には不適。

中腹にあった唯一壕口を感じさせる場所

このページのトップへ