(第18突撃隊)
昭和20年6月20日に第1特攻戦隊、第18突撃隊の本部が置かれた。
もとは、第12突撃隊の一派遣隊として昭和20年4月20日に設置された加地山派遣隊が、6月20日に独立して第18突撃隊となった。
所属の特攻部隊は、第11海龍隊と第59震洋隊の2部隊で、第11海龍隊は岩井袋に、第59震洋隊は波左間と洲崎に展開した。
また、水雷射堡隊が、洲崎、島砥倉、明鐘崎、大房岬に配置され(未完成)、機銃陣地が加知山基地、岩井袋基地、浮島、洲崎基地に置かれた。
(加知山基地)
基地の整備は、震洋格納壕をはじめ、兵器庫、火薬庫、居住区などの横穴壕や斜路、機銃陣地などの工事が概ね8月中旬頃完成を目標に進められていた。工事には武山海兵団の兵員が動員されたが、8月15日終戦により中止された。
震洋格納壕については、第59震洋隊のものか、別の震洋隊が配備される予定であったのかは不明であり、また部隊配備は行われなかったようである。
本部や基地隊の施設には、勝山町や周辺の旅館、空別荘、国民学校等の既設建物が使用された。
第18突撃隊(第18嵐部隊)の本部と基地が置かれた勝山であるが、現在、その存在を示すものは、横穴壕だけである。
勝山の眺望。かっての加知山藩。
現存横穴壕配置図
@抜け穴といわれ、A、B壕の間に
通じていたと推測。
A燃料庫。内部は「くの字」に曲がって
いる。
抜け穴が通じていたと推測する壕口
B震洋格納壕。掘削途中で貫通の
計画。
C震洋格納壕。掘削途中で貫通の
計画。
D震洋格納壕。隣接壕と接続している
と推測
E兵器庫。入り口は埋め戻されている。
F震洋格納壕。
F内部は2か所で接続している。最奥部。
塞がれているが居住区壕の入口で
あろう。
三式迫撃砲2門の陣地。並んで2か所
壕があり、内部は鍵の手。
同左。左壕の突当りの天井には小さな
開口部がある。