田子港の南に隣り合う二つの小さな入江があり、海龍隊と震洋隊の基地が築かれていた。東が海龍、西が震洋である。
各入江の両岸に特攻兵器をはじめ、燃料、糧食などの格納壕が構築されていた。基地自体は概成していたようであるが、肝心の部隊の進出はなかったと推測される。
現在残されているのは勿論地下壕だけである。海龍基地については、資料中14本のところ、確認できたもの7本。震洋壕は、資料中36本のところ、入口だけでも確認できたものを含めると12本。また、地下壕エリアから外れた田子瀬浜海水浴場附近に3本確認された。
これらの地下壕は西伊豆町の史跡として保存され、特攻基地の説明板も設置されている。こうした戦争の歴史を風化させない取組は重要である。