館山海軍航空基地防御用の坑道陣地で、上陸してくる敵に対する施設。「T」字型の平面で、狙撃口を2か所設ける計画であったようだが、未完成である。
背後から入壕するが、狙撃室へ向けては上り坂になっている。坂の途中、右手に4.4m×4mの部屋がある。入口は2か所でいずれも階段になっている。弾薬格納と兵員棲息所であろう。坂を上り切ると突き当たって左右2か所の狙撃室へ通じる平たん路となる。
右手の狙撃室は狙撃口の掘削を始めたばかりのようで、外部には貫通していないようだ。また、壁面の柱溝も右壁には穿たれていない。左の狙撃室は、階段を下った低い位置で、まだ狙撃口もかなり下の方に位置し、しかも斜めに開口している。もしかしたら測量ミスだったのかもしれない。こちらは外部の開口も壁の柱溝も完成している。
館山地区では地中式の水際陣地としては、今のところ、ここ一個所しか見つかっていない。なお、附近に用途不明の壕があるため、貯蔵壕として紹介する
。特徴は、入口手前の両脇に半円形のスペースが設けられている。
洞窟陣地への出入口。
入ると登坂。右手に棲息掩蔽部入口
棲息掩蔽部内部。階段2か所が見える
A、B狙撃室への連絡路
狙撃室A。天井高約2.5m
同左狙撃口。掘削途中である。
狙撃室Bの階段
狙撃室B内部。正面壁に狙撃口
狙撃口外観
入口手前は円形物置
壕内から入口を見る
壕内部。天井高1.7mと低い。床面積約11u。