友ヶ島第五砲台

<沿革>
・明治33年1月:起工
・明治38年3月:竣工
・斯加式30口径12p速射カノン6門

<概要・構造>
備砲は、男良谷砲台と同じ斯加式30口径12p速射カノンであるがこちらは6門と強力である。 首線は第一砲台、第二砲台と同じ西向きであり、目的も「由良海峡を射撃し以て敵の艦艇の同海峡を通過せんとするを妨害す」。淡路島側の砲台と挟撃することで敵艦の大阪湾への侵入を防ぐための強力な布陣であった。
砲座は3つで、各2門、軽6門の12cm速射カノンが据え付けられた。胸墻はコンクリート製で砲の前面にはアールが付けられている。砲座内の弾室は7基で、砲座の下部にも5基設けられている。 各砲座左手の横墻内に砲側庫が設けられ、砲座へは階段が付けられている。また右翼端に胸墻上に通じる曲がり階段が設けられている。 構造や材質は同時期に建設された男良谷砲台とほぼ同じであるが、異なるのは、砲側庫の入口がレンガ造で窓が付けられていること、砲座への坂路がないことである。
*平面図の赤線部分は地下構造物である。

<現状>
第三砲座の上に戦後のものと思われる貯水槽が建てられているほかは、ほぼ当時の形を残しているものと推測される。左右の砲側庫には扉がないので自由に内部を見学でき、砲座にも上がることができる。入口部分には厠と門柱も残されている。
特に砲台跡に手を加えるということはなく、草木の伐採、除草などの管理だけで、自然のままに保存されている。一点気になるのは、第一砲座上に樹木の鉢植えが置いてあるのはいただけない。

第一砲座俯瞰

第二砲座

第二、第三砲座間の横墻と砲側庫

砲側庫内部

入口にある厠

入口の門柱。レンガ造

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