雑誌・書籍の広告

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雑誌や書籍の広告は、当時の流行や出来事などがストレートに表現されており、まさに世相を反映している。そして、その内容については、大衆に迎合したためか、または、当局からの指示・圧力があったのか、結果的には戦争に向けての機運の醸成に大きな役割を果たしている。
なお、掲載数の多い雑誌である「キング」「講談倶楽部」「婦人倶楽部」「主婦の友」「小学館の小国民雑誌」「実業之日本」は、別に紹介。

「新満州国写真大観」の広告
昭和6年9月18日に柳条湖事件が起こり、満洲事変に拡大、場所を移して、昭和7年1月上海事変勃発、そして昭和7年3月1日満を辞して満州国建国。此の歴史の流れを一冊にまとめた写真集である。

内容
「満洲事変 上海事変 新満州国写真大観  大評判!大売行!
全国民必読 何を措いてもこれだけは是非お備え下さい!! 眞に子々孫々に伝うべき不朽の記念塔と大評判!
壮烈なる皇軍の大活躍、新満州国の事情一目瞭然!どの写真一枚も再び得難き国宝的写真! しかも、四六倍大判、特製函入クロースの豪華本!
定価一円五十銭 大日本雄弁会講談社発行」
掲載:昭和7年5月 
「日の出」の広告
日の出とは、昭和7年から昭和20年まで、新潮社から発行されていた大衆雑誌である。 満洲事変の結果、昭和7年3月1日、満州国が建国されたが、中華民国の提訴により国際連盟はリットン調査団を派遣し、調査を進めていた。そんな時代背景のなか、アメリカ、ロシアとの戦争を想定した特集が組まれている。愛国心や強国日本を強調する記事が各誌から出され、まさに国民の戦意を煽る役割を果たしていたといえる。

内容
「日の出 十月号  躍進大躍進!この出来栄えを見よ 〜
別冊附録 米露と戦って日本は勝つか
★陸軍・海軍・空軍大検討会 陸軍省・海軍省参謀本部 熱讃・推奨!
参加将星 軍略の大家二子石中将、戦史研究家竹内栄喜少将、潜水艦の権威福田一郎少将〜
如何にして米の大艦隊を撃ち、如何にして赤露の大軍を破るか?我が智将猛将の語る無敵日本、強力日本の力を知れ! ◎熱血踊る大内容!国民的大読本だ! 四六判百十余頁写真五十数枚
定価附録とも五十銭 東京牛込 新潮社発行」
掲載:昭和7年9月4日
「日米此処に戦うか?」の広告
日の出10月号と同時期に発行された書籍。此の頃、既にアメリカが仮想敵国として認識されていたことが伺えて興味深い。

内容
「日米此処に戦うか?
?米国は太平洋海軍大演習後大西洋艦隊を来年三月まで滞留を延期した此れは何を意味するか???
日本は威嚇的この米国の作戦を国民は挙って重大なる決心と覚悟をせねばならぬ。 日本の作戦、米国の作戦並に世界的興味ある問題だ。 此の戦に依リ世界の支配国は決定されるのである。日本か?米国か?国民は是非此の興味ある書をば読んで下さい。
●近時の戦争は全て科学戦で如何なる軍備があっても科学智がなければならぬ戦争の今日如何なる科学戦争の秘術が書いてあるか一読千金近来にない最も痛快な著書である。
売切れ又売切れ 再々版十五版出来た。八十銭送料八銭
此の廉買普及版見逃すな 書店注文は売切れの恐れあり直接御注文乞う。(必ず新聞名記入して下さい)
◆又々売切れにならぬ中御注文願ます 東京中野本町通り四ノ三四 石渡書店」
掲載:昭和7年9月22日 
「日の出」の広告
一面全面を使った広告である。満洲国問題により昭和8年3月に日本は国際連盟から脱退した。本誌ではこれを国難と表現し、米露支との戦争を想定した特集を組んでいる。日本国中が連盟脱退を賞賛したが、この後日本は国際的に孤立を深めていくことになる。

内容
「生気躍動の日の出 四月号出づ
大別冊附録 国難来る 日本はどうなるか
日本はどうなる?此の問に対して「斯うなる」とはっきり答え得た書は此の外に断じてない。全国民読め!!四六判堂々百六十頁!
▲外交の孤立▲日米は斯く戦う▲日支は斯く戦う▲日露は斯く戦う▲戦慄の新兵器戦▲空襲下の日本▲帝都のスパイ網▲国家総動員 此の大附録此の大壮観で平月通り五十銭
袋入大附録 天皇陛下御尊影〜
名将を語る…陸軍中将本庄繁 ▲連盟脱退後の大問題!!南洋の委任統治諸島▲戦乱の熱河を語る▲戦雲漲る中を支那の軍艦に乗る〜
東京・牛込・矢来 新潮社 全国至る処の書店にあり」
掲載:昭和8年3月7日 
「冨士」の広告
冨士とは昭和2年発行の大日本雄弁会の雑誌であるが、昭和16年「キング」に統合され、更に昭和18年「冨士」に改称される。

内容
「冨士 十二月号 戦線・銃後で引ッ張凧!! 興味と感激の傑作読物満載〜 
東京大日本雄弁会講談社」
掲載:昭和14年11月 
講談社九大雑誌の広告
九大雑誌とは、キング、講談倶楽部、冨士、幼年倶楽部、少年倶楽部、少女倶楽部、雄弁、現代、婦人倶楽部であり、国策に沿う雑誌づくりに努力しているという。

内容
「雑誌は講談社!九大雑誌新年号大評判!!
皇紀二千六百年記念!熱誠の大奮発!!〜 感謝! 全日本雑誌発行部数の約八割を占むる講談社九大雑誌は、戦線銃後の精神弾薬として益々目覚しい躍進ぶり!全国皆様のこの絶大な御信用に応え、輝く興亜大国策の線に沿って〜皇軍慰問に!御一家の慰安修養、愛児の家庭教育に!天下折紙つきの九大雑誌!!ぜひ今後も一層の御愛読御後援を!!〜
東京大日本雄弁会講談社」
掲載:昭和14年12月 
講談社の雑誌・絵本の広告
戦争遂行に大きな役割を果たしたのがマスコミ。国民感情を煽る活字が並ぶ、まさに国策出版社である。特に国策回覧板には、これからは全てをお国のために捧げるんだという考え方が大きく示されている。

内容
「講談社の九雑誌と絵本 輝く新年号!
雑誌報国の念願を以て真剣熱烈の編集!戦線の慰問に銃後の修養慰安に−雑誌はこの中から御選定下さい。
心の武装に万人必読の国民雑誌!キング 日本精神の粋を集めた大衆雑誌!講談倶楽部 新しき理想新しき力新しき慰安となる雑誌!冨士 絵本と読物を兼ねた指導的な幼年雑誌!幼年倶楽部 少年の徳性を高め知能を伸ばす少年雑誌!少年倶楽部 少女の教養向上に熱誠をこめた少女雑誌!少女倶楽部 弁論座談の錬磨と時局認識学生青年必読雑誌!雄弁 銃後思想戦の精神弾薬!大衆総合雑誌!現代 明朗健全!銃後生活の設計に役立つ婦人雑誌!婦人倶楽部 童心豊かな絵画と名文で作られた教育絵本!講談社の絵本
  ・御注意・用紙節約の今日、増刷は絶対に不可能御希望の方は早く御近所の書店へ
紙上国策回覧板 今までの考え方やり方とこれからの考え方やり方 子供の教育〜贅沢〜 職業〜 新年〜
大日本雄弁会講談社」
掲載:昭和15年12月 
興亜教育二月号の広告
興亜とは、字ずら通りアジアの勢力を盛んにすること。大東亜戦争の大義でもあり、こんな雑誌も出版されていたのだ。

内容
「興亜教育 二月号★興亜教育の指導雑誌
東亜教育の歴史的本則 師範学校の改革に就いて 支那に於ける教育の現状 特別講座 惟神の大道〜」
掲載:昭和17年2月 
新女苑の広告
実業之日本社の創業40周年記念として、昭和12年1月に創刊された女性誌である。昭和34年7月まで発行されていた。。 明治41年創刊の少女向けの雑誌「少女の友」の姉妹誌として、その上の世代を対象とした女性誌である。戦前の4大婦人雑といわれた「主婦の友」「婦人倶楽部」などとは一線を画したモダンな誌面であり、現在でも通じるものである。 同社小史によると昭和10年代には「少女の友」と「新女苑」が若い女性に人気を博していたとある。

内容
「座談会 女性勤労の理念と現実 戦時下女性の積極的な勤労への参加が要請される時、古来よりの女性勤労の特質を知り、現代の正しい勤労生活の態度を認識することは意義深い。時評・文化・音楽・生活科学・厚生・映画〜
定価五十銭送料一銭五里 東京銀座実業之日本社 」
掲載:昭和17年3月 
新女苑5月号の広告
特集が「軍神」、「日本の美」また、「日本史の再認識」など国威発揚に直結する内容となっている。

内容
「家庭防空消防に就て 大東亜戦争はいつまで続くか 陸軍中佐鈴木庫三 廃物を美しく生かす試み お弁当をつくる上の要点 特集 軍神追慕 軍神の故郷 今ぞ仰ぐ運にの軍神〜 特集日本の美 日本精神発揚の美 日本民族の人体美 日本の生活美 日本の自然美 〜国史の再認 〜」
掲載:昭和17年4月 
青年新書発刊の広告
言論統制、出版統制が進められている中での新書発刊である。当然、皇民教育や戦意高揚に資する内容である。

内容
「青年諸君へ 世界新秩序建設途上の皇国を担う青年諸君に本新書を贈る。勤労せられる諸君の好餌の伴侶として本新書は誕生した。諸君は本新書によって諸君の魂を磨かれたい。諸君は本新書によって読む力を養っていただきたい。読書力こそは、あらゆる疑問の扉を開く鍵であるから。〜」
掲載:昭和17年10月 


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